第1編 危険物に関する法令
消防法上の危険物
第一類 酸化性固体
塩素酸塩類,過塩素酸塩類,無機過酸化物,亜塩素酸塩類,臭素酸塩類,硝酸塩類,よう素酸塩類,過マンガン酸塩類,重クロム酸塩類,ほか
第二類 可燃性固体
硫化りん,赤りん,S,Fe紛,金属粉,Mg,ほか
※鉄紛 … 目開き53μmが50%未満
金属粉 … Cu粉,Ni粉,目開き150μmが50%未満
第三類 自然発火性物質および禁水性物質
K,Na,アルキルAl・Li,黄りん,アルカリ金属及びアルカリ土類金属,有機金属化合物,金属の水素化物・りん化物,Ca又はAlの炭化物,ほか
第四類 引火性液体
- 特殊引火物 … ジエチルエーテル,二硫化炭素,発火点100℃以下,引火点‐20℃以下で沸点40℃以下
- 第一石油類 … アセトン,ガソリン,引火点21℃未満
- アルコール類 … Cが1~3個の飽和1価アルコールで60%以上
- 第二石油類 … 灯油,軽油,引火点21℃以上70℃未満
- 第三石油類 … 重油,クレオソート油,引火点70℃以上200℃未満
- 第四石油類 … ギヤー油,シリンダー油,引火点200℃以上250℃未満
- 動植物油類 … 動植物由来の引火点250℃未満
第五類 自己反応性物質
有機過酸化物,硝酸エステル類,ニトロ化合物,ニトロソ化合物,アゾ化合物,ヒドラジン誘導体,ヒドロキシルアミンとその塩類,ほか
第六類 酸化性液体
過塩素酸,過酸化水素,硝酸,ハロゲン間化合物
危険等級
危険等級 | 類別 | 品名等 |
Ⅰ | 第一類 | 第一種酸化性固体 |
第三類 | K, Na, アルキルAl・Li, 黄リン, 第一種の物質 | |
第四類 | 特殊引火物 | |
第五類 | 第一種の物質 | |
第六類 | すべて | |
Ⅱ | 第一類 | 第二種の物質 |
第二類 | 硫化りん, 赤りん, S, 第一種の物質 | |
第三類 | 危険等級Ⅰ以外 | |
第四類 | 第一石油類,アルコール類 | |
第五類 | 危険等級Ⅰ以外 | |
Ⅲ | 第一・二・四類 | それ以外 |
指定数量
・指定数量 … 危険物の危険性の基準となる数量
・指定数量の倍数 … 危険物の数量÷指定数量
指定数量の例
第一類 | 第一種 | 50kg | 塩素酸塩類, 過塩素酸塩類, 無機過酸化物, 亜塩素酸塩類, 臭素酸塩類 |
第二種 | 300kg | よう素酸塩類, 過マンガン酸塩類 | |
第三種 | 1,000kg | 硝酸塩類,重クロム酸塩類, ほか | |
第二類 | 100kg | 硫化りん, 赤りん, S | |
500kg | 鉄粉 | ||
第一種 | 100kg | 金属粉, Mg | |
第二種 | 500kg | – | |
1,000kg | 引火性固体 | ||
第三類 | 10kg | K, Na, アルキルAl・Li | |
20kg | 黄りん | ||
第一種 | 10kg | アルカリ金属, アルカリ土類金属, 有機金属化合物 | |
第二種 | 50kg | 金属の水素化物, 金属のリン化物, Ca・Alの炭化物 | |
第三種 | 300kg | ほか(トリクロロシラン) | |
第四類 | 50L | 特殊引火物 | |
非水溶性 | 200L | 第一石油類 | |
水溶性 | 400L | ||
400L | アルコール類 | ||
非水溶性 | 1,000L | 第二石油類 | |
水溶性 | 2,000L | ||
非水溶性 | 2,000L | 第三石油類 | |
水溶性 | 4,000L | ||
6,000L | 第四石油類 | ||
10,000L | 動植物油類 | ||
第五類 | 第一種 | 10kg | 有機過酸化物, 硝酸エステル類, ニトロ・ニトロソ化合物, アゾ・ジアゾ化合物 |
第二種 | 100kg | ヒドラジン誘導体, ヒドロキシルアミン類, 他 | |
第六類 | 300kg | すべて |
1類 ーーー 2類 ーーー 3類 ーーー 4類 ーーー 5類 ーーー 6類
50kg — 100kg — 10kg —いろいろ —-10kg —–300kg
危険物規制の法体系
危険物の規制
指定数量以上
貯蔵所以外の場所での貯蔵、製造所等以外の場所で取り扱ってはならない
指定数量未満
各市町村の火災予防条例、指定数量の1/5未満は規制外
運搬
消防法等で基準
仮貯蔵(仮貯蔵・仮取扱い)
消防長または消防署長の承認 → 10日以内に限りOK
消防法適用の除外
航空機,船舶,鉄道または軌道による危険物の貯蔵・取扱いまたは運搬について適用除外
製造所等の区分
製造所
貯蔵所
屋内,屋外タンク,屋内タンク,地下タンク,簡易タンク,移動タンク,屋外
※屋外貯蔵所 … 第二類(S,S含有物,引火性固体), 第四類(第一石油類(引火点が0℃以上), アルコール類, 第二,三,四石油類, 動植物油類)に限る
取扱所
給油,販売,移送,一般
容量の制限
製造所 | ― |
屋内貯蔵所 | ― (ただし床面積1,000m2以下) |
屋外タンク貯蔵所 | ― |
屋内タンク貯蔵所 | 指定数量40倍以下。第四石油類,動植物油類以外の第四類 → 20,000L以下 |
地下タンク貯蔵所 | ― |
簡易タンク貯蔵所 | 1基600L以下で3基まで。同一品質は2基以上は不可。 |
移動タンク貯蔵所 | 30,000L以下 |
屋外貯蔵所 | ― |
給油取扱所 | ― (廃油タンクは10,000L以下) |
販売取扱所 | 第一種販売取扱所 … 指定数量15倍以下 第二種販売取扱所 … 指定数量15倍を超えて40倍以下 |
移送取扱所 | ー |
一般取扱所 | ― |
製造所等の設置(変更)許可
1. 設置(変更)許可申請
市町村長等に設置許可申請 → 許可 → 着工
2. 完成検査前検査申請
液体の危険物を貯蔵・取扱うタンクを設置または変更する場合は市町村長等が行う完成検査前検査を受けなければならない。
3. 完成検査申請
市町村長等が行う完成検査 → 完成検査済証
仮使用承認申請
使用中の製造所等の施設の一部で変更工事を行う場合に、変更工事の部分以外の全部または一部の使用を市町村長等に申請し承認を受けた時は、変更工事の完成検査前でも承認を受けた部分については仮使用が認められる。
各種申請/届出
手続き | 項目 | 申請先 |
許可 | 設置許可・変更許可 | 市町村長等 |
承認 | 仮貯蔵・仮取扱い | 消防長又は消防署長 |
仮使用 | 市町村長等 | |
検査 | 完成検査前検査・完成検査・保安検査 | |
認可 | 予防規定 |
危険物取扱者制度と免状
危険物の取扱い
- 危険物取扱者(甲種,乙種,丙種)が行う
- 危険物取扱者(甲種,丙種)が立ち会って、危険物取扱者以外の者が行う
免状の種類と業務範囲
種類 | 取扱作業 | 立ち会い | 危険物保安監督者 | 危険物保安統括管理者 危険物施設保安員 |
甲種 | 全類 | ○ | ||
乙種 | 免状に記載の類 | |||
丙種 | 指定された危険物 | × | × |
免状の交付等
交付,書換え,再交付 → 都道府県知事に申請
・書換え…交付した知事又は居住地もしくは勤務地を管轄する知事
・再交付…亡失した免状を10日以内に再交付を受けた知事に返却
保安講習/自主保安体制
保安講習
危険物取扱者は都道府県知事が行う危険物の取扱作業の保安に関する講習を受けなければならない。
- 取扱作業に従事することとなった日から1年以内に受講
- 取扱作業に従事することとなった日前2年以内に危険物取扱者免状の交付を受けている場合又は講習を受けている場合は、それぞれの日以後における最初の4月1日から3年以内に受講
- 継続して従事しているものは講習を受けた日以後における最初の4月1日から3年以内ごとに受講
- 従事していない、従事しなくなったものは受講は不要
- 受講すべき期間内に受講しなければ、免状返納命令対象
受講場所は指定はなく全国どこでも受講可能
自主保安体制
役割 | 選任単位 | 危険物取扱者免状の要否等 |
危険物保安統括管理者 | 事業所ごと | 不要 |
危険物保安監督者 | 施設ごと | 甲種又は乙種免状+6カ月以上の実務経験 |
危険物施設保安員 | 施設ごと | 不要 |
事業所の別 | 危険物保安 統括管理者 |
危険物保安 監督者 |
危険物施設 保安員 |
危険物 取扱者 |
|
製造所・一般取扱所で指定数量の3,000倍以上の第四類の危険物を取扱う事業所,移送取扱所で指定数量以上の第四類の危険物を取扱う事業所 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
指定数量100倍以上の製造所,一般取扱所,全ての移送取扱所 | ○ | ○ | ○ | ||
その他の製造所等 | 移動タンク貯蔵所 | ○ | |||
移動タンク貯蔵所以外 | ○ | ○ |
危険物保安監督者等
危険物保安統括管理者
・大量の第四類危険物。選任・解任については遅延なく市町村長等に届け出。
・必要な資格 … 特になし
・選任の必要な事業所
製造所 … 指定数量の3,000倍以上の第四類
一般取扱所 … 指定数量の3,000倍以上の第四類
移送取扱所 … 指定数量以上の第四類
危険物保安監督者
甲種または乙種で6カ月以上の実務経験者 → 遅延なく市町村長等に届け出
■選任の必要な製造所等
区分:
危険物の種類 → 第四類,第四類以外
危険物の指定数量 → 30倍以下,30倍超え
危険物の引火点 → 40℃以上,40℃未満
すべて必要 … 製造所,屋外タンク貯蔵所,給油取扱所,移送取扱所,一般取扱所
不要 … 移動タンク貯蔵所
一部必要 … そのほか
■業務
作業者に対し必要な指示
災害発生時、応急措置,連絡
危険物施設保安員に必要な指示、いない場合は保安員の業務
その他監督業務
危険物施設保安員
■選任・解任は届け出不要
■資格…特になし
■選任が必要な製造所等
100倍以上の製造所,一般取扱所
移送取扱所
■業務
定期および臨時の点検
点検等の記録・保存
異常時、危険物保安監督者に連絡、適当な措置
火災発生時、危険物保安監督者と協力して応急措置
保安管理
予防規定
予防規定 … 自主的に制定する保安基準
予防規定に定める主な事項
- 危険物の保安に関する業務を管理するものの職務および組織に関すること。
- 危険物保安監督者の不在時に代行する者
- 化学消防自動車の設置その他自衛の消防組織
- 保安教育
- 巡視,点検及び検査
- 危険物施設の運転または操作
- 危険物の取り扱い作業基準
- 補修等の方法
- 工事における火気の使用等安全管理
- 危険物の取り扱い工程または設備等の変更に伴う危険要因の把握および対策
- 顧客に対する監視(セルフ給油取扱所)
- 移送取扱所→保安監督体制,配管の保安
- 災害等の措置
- 地震発生時の点検、応急措置
- 保安に関する記録
- 書類及び図面の整備
予防規定が必要な製造所等
- 製造所 … 10倍以上
- 屋内貯蔵所 … 150倍以上
- 屋外タンク貯蔵所 … 200倍以上
- 屋外貯蔵所 … 100倍以上
- 給油取扱所,移送取扱所 … すべて
- 一般取扱所 … 10倍以上
定期点検
実施対象施設
- 予防規定が必要な施設+地下タンクを有する製造所+地下タンクを有する一般取扱所
- 地下タンク貯蔵所,移動タンク貯蔵所,移送取扱所 … すべて
点検実施者等
■点検実施者 … 危険物取扱者 or 危険物施設保安員 or 危険物取扱者以外(危険物取扱者の立ち会いが必要)
■1年に1回以上実施し、3年間記録を保存
■点検記録事項 … 施設の名称,方法及び結果,点検年月日,点検を行った危険物取扱者名
■タンクの漏れの点検
- 地下貯蔵タンク … 1年以内に1回以上
- 完成検査から15年を超えないもの … 3年以内に1回以上
- 二重殻タンクの強化プラスチック製の外殻の漏れ … 3年以内に1回以上
- 二重殻タンクの内殻 … 点検不要
- 微小な漏れを検知し漏えい拡散防止措置の講じられたもの … 点検不要
- 地下埋設配管の漏れ … 1年以内に1回以上
- 移動貯蔵タンクの漏れ … 5年以内に1回以上(10年保存)
- 屋外タンク貯蔵所の内部点検 … 13~15年周期
保安検査と自衛消防組織
保安検査
規模の大きい屋外タンク貯蔵所および移送取扱所 → 保安検査(市町村長等が実施)
■定期保安検査
- 屋外タンク貯蔵所(容量10,000kL以上のタンク) … 8年に1回
- 移送取扱所(配管15kmを超えるもの or 0.95MPa以上で7~15km) … 1年に1回
■臨時保安検査
- 屋外タンク貯蔵所(容量10,000kL以上のタンク)… 1/100以上の不等沈下発生時
自衛消防組織
大規模な危険物施設では自衛消防組織の編成が義務づけ
■設置義務
- 製造所,一般取扱所 … 3,000倍以上
- 移送取扱所 … 指定数量以上
■組織の編成
指定数量の倍数によって人員数および化学消防自動車の台数が決めれれている
保安距離/保有空地
保安距離
火災・爆発などから周囲の保安対象物を守るために確保しなければならない距離
保安距離の必要な施設 | 保安距離の必要ない施設 |
製造所 屋内貯蔵所 屋外タンク貯蔵所 屋外貯蔵所 一般取扱所 |
屋内タンク貯蔵所 地下タンク貯蔵所 簡易タンク貯蔵所 移動タンク貯蔵所 給油取扱所 販売取扱所 移送取扱所 |
※必要ないのは、○○タンク貯蔵所(屋外タンク除く)、給油、販売、移送
保有空地
消防活動および延焼防止のため、危険物を取り扱う建物の周囲に確保する空地
保有空地の必要な施設 | 保有空地が不要な施設 |
製造所 屋内貯蔵所 屋外タンク貯蔵所 簡易タンク貯蔵所(屋外に設けるもの) 屋外貯蔵所 一般取扱所 移送取扱所(地上設置のもの) |
屋内タンク貯蔵所 地下タンク貯蔵所 移動タンク貯蔵所 給油取扱所 販売取扱所 |
製造所の基準
保安距離
- 50m以上:重要文化財,重要有形民俗文化財,史跡,重要美術品等の建造物
- 30m以上:多数の人を収容する施設(学校,映画館,病院等)
- 20m以上:高圧ガス,液化石油ガスの施設
- 10m以上:同一敷地外にある住居
- 5m以上:35,000Vを超える特高線路
- 3m以上:35,000V以下の特高線路
保有空地
- 3m以上:10倍以下の製造所
- 5m以上:10倍以上の製造所
構造
- 標識および掲示板を設置
- 地階を有しない
- 壁,柱,床,はり,階段は不燃材料、延焼の恐れのある外壁は耐火構造
- 屋根は不燃材料。天井は設けない。
- 出入口には自動閉鎖の特定防火設備。ガラスを使う場合は網入りガラス。
- 床は危険物が浸透しない構造。適当な傾斜。貯留設備。
設備
- 採光,照明,換気の設備
- 蒸気または微粉を屋外の高所に排出する設備
- 液状の危険物 → 0.15m以上の囲い
- 危険物の漏れ、あふれ又は飛散を防止できる構造
- 温度測定装置
- 加熱しまたは乾燥する設備は、直火を使用しない
- 圧力計および安全装置
- 静電気を有効に除去する装置
- 10倍以上 → 避雷設備
配管に関する基準
- 最大常用圧力の1.5倍以上の水圧試験
- 危険物によって劣化しないもの
- 火災等の熱によって変形しないもの
- 外面の腐食を防止する措置
- 地下に設置 → 接合部分からの漏えいを点検できる措置
- 加熱または保温 → 火災予防上安全な構造
- 地上に設置 → 安全な構造の支持物により支持
- 地下に設置 → 重量がその配管にかからないように保護
屋内貯蔵所の基準
位置
■保安距離 … 製造所と同じ
■保有空地
指定数量の倍数 | 空地の幅 | |
壁・柱・床が耐火構造 | 壁・柱・床が耐火構造以外 | |
5以下 | 0m | 0.5m以上 |
5を超え10以下 | 1m以上 | 1.5m以上 |
10を超え20以下 | 2m以上 | 3m以上 |
20を超え50以下 | 3m以上 | 5m以上 |
50を超え200以下 | 5m以上 | 10m以上 |
200を超える | 10m以上 | 15m以上 |
構造
- 標識および掲示板を設置
- 独立した専用の建築物
- 地盤面から軒までの高さは6m未満の平屋建、床は地盤面以上。
- 床面積は1,000m2以下
- 壁・柱・床を耐火構造。屋根は不燃材料。
- 窓および出入口には防火設備。
- 出入口には自動閉鎖の特定防火設備。ガラスを使う場合は網入りガラス。
- 床は危険物が浸透しない構造。適当な傾斜。貯留設備。
設備
- 架台を設ける場合は不燃材料
- 採光・照明・換気設備。引火点70℃未満の場合は可燃性蒸気を屋根上に排出する設備
- 10倍以上 → 避雷設備
屋外タンク貯蔵所の基準
位置
■保安距離 … 製造所と同じ
■敷地内距離 … タンクの側板から敷地境界線までに確保する距離。その長さはタンク容量と引火点に依る。
■保有空地
指定数量の倍数 | 保有空地 |
500以下 | 3m以上 |
500を超え1,000以下 | 5m以上 |
1,000を超え2,000以下 | 9m以上 |
2,000を超え3,000以下 | 12m以上 |
3,000を超え4,000以下 | 15m以上 |
4,000を超える | タンクの直径または高さのうち大なるものに等しい距離以上。ただし15m以上。 |
構造
- 標識および掲示板の設置
- 厚さ3.2mm以上の鋼板製。圧力タンクは最大常用圧力の1.5倍の圧力で10分間行う水圧試験、それ以外のタンクは水張試験において漏れ・変形しないもの。
- 地震及び風圧に耐える構造。支柱は鉄筋コンクリート構造等の耐火性能。
- タンク内の圧力が異常に上昇した場合、上部に放出する構造。
- 外面には錆止め塗装
- 底板が地盤面に接する場合、腐食防止措置。
設備
- 圧力タンクには安全装置、その他のタンクには通気管。
- 液体危険物の量を自動的に表示する装置。
- 液体の危険物の注入口には弁または蓋。静電気は制の恐れがある危険物の注入口付近には接地電極。
- ポンプ設備は周囲に3m以上の空地を確保。タンクの側板に水抜管を設ける。
- 静電気を有効に除去する装置
- 10倍以上 → 避雷設備
- 液体の危険物(二硫化炭素を除く)のタンク周囲には防油堤。
通気管の基準
■無弁通気管
直径は30mm以上。先端は水平より下に45°以上曲げ、雨水の侵入を防ぐ。
網目の銅網等による引火防止装置を設ける。
■大気弁付通気管
5kPa以下の圧肋鎖で動作できるもの。
網目の銅網等による引火防止装置を設ける。
防油堤の基準
- 防油堤の容量は、タンク容量の110%(1.1倍)以上。2個以上の場合は最大タンク量の110%以上。
- 高さ0.5m以上、面積は80,000m2以下。防油堤内にはタンクは10以下。
- 周囲が構内道路に接すること。
- 鉄筋コンクリートまたは土で造る。
- 水抜口を設け、弁は防油堤の外部にあり、通常、弁は閉じておく
- 高さが1mを超える防油堤は30mごとに階段。
屋内タンク貯蔵所の基準
位置
保安距離、保有空地の規制なし
構造
- 平屋建てのタンク専用室
- タンク相互間は0.5m以上離す
- 標識および掲示板を設置
- 指定数量の40倍以下(第四石油類及び動植物油類以外の第四類は20,000L)。同一タンク専用室に複数タンクがある場合は合算した量。
- タンクの構造は屋外貯蔵タンクと同じ
- タンク専用室は壁・柱・由香を耐火構造、開口部を有しない壁・はり・屋根は不燃材料。天井は設けない。
- 出入り口には防火設備。ガラスは網入りガラス。
- タンク専用室の出入り口の敷居高さは床面から0.2m以上。
設備
- 配管の基準 = 製造所の基準
- 採光・照明・換気・排出設備 = 屋内貯蔵所の基準
- 弁・注入口 = 屋外タンクの基準
- 圧力タンクには安全装置、その他のタンクには無弁通気管
- 液体危険物 → 危険物量を自動的に表示する装置
- 電気設備 = 製造所の基準
地下タンク貯蔵所の基準
位置
保安距離,保有空地の規制はなし。
タンクの貯蔵量や貯蔵物に関する規制もなし。
構造
- 地盤面下に設けられたタンク室に設置
- タンクとタンク室内側との間は0.1m以上離し、タンクの周囲に乾燥砂。
- タンクの頂部は0.6m以上地盤面から下
- 2基以上隣接する場合は1m以上離す
- 標識および掲示板を設置
設備
- 安全装置 → 製造所の基準
- 圧力タンク以外のタンクは、無弁通気管または大気弁付通気管
- 危険物の量を自動的に表示する装置を設置
- 注入口は屋外に設けるほか、屋外貯蔵タンクの基準を準用
- 液体の危険物の漏れを検知する設備(漏えい検査管等)を4か所以上設置
簡易タンク貯蔵所の基準
位置
・保安距離 なし
・保有空地 屋外の場合1m以上
構造
- 一つの貯蔵所内に3基まで。1種類につき1基。
- 標識および掲示板の設置。
- 容易に移動しないように地盤面,架台等に固定
- 専用室に設置する場合、タンクと専用室の壁の間は0.5m以上
- タンク1基の容量は600L以下
- 厚さ3.2mm以上の鋼板製。70kPaの圧力で10分間の水圧試験
- 外面は錆とめ塗装
設備
- 通気管を設置
第四類の危険物のうち圧力タンク以外には無弁通気管 - 給油または注油のための設備を設ける場合は、給油取扱所の固定給油設備の基準
移動タンク貯蔵所の基準
位置
- 保安距離,保有空地の規制はなし
- 車両を常置する場所
・屋外の場合:防火上安全な場所・屋内の場合:耐火構造・不燃材料。1回に常置(空タンクの状態で)
構造
- 厚さ3.2mm以上の鋼板製。圧力タンクでは最大常用圧力の1.5倍の圧力で、それ以外のタンクでは70kPaの圧力で10分間の水圧試験。
- タンク容量は30,000L以下。4,000L以下ごとに間仕切板。2,000L以上のタンク室には防波板。
- 安全装置の設置。保護のため側面枠および防護枠を設ける。
- 外面には錆止め塗装
設備
- 排出口に底弁。非常時に底弁を閉鎖できる手動閉鎖装置及び自動閉鎖装置を設置。
- 配管は先端部に弁等を設置
- 可燃性蒸気が滞留する恐れがある場所に設ける電気設備は、引火しない構造
- 静電気による災害が発生する恐れのある液体 → 接地導線
- 貯蔵タンクの注入口と結合できる結合金具を備えた注入ホースを設ける
- 類,品名および最大数量を表示する設備。標識「危」。
0.3~0.4m四方。黒地に黄色の反射塗料。
屋外貯蔵所の基準
位置
■保安距離 = 製造所の基準
■保有空地
10倍以下 | 3m以上 |
10を超え20倍以下 | 6m以上 |
20を超え50倍以下 | 10m以上 |
50を超え200倍以下 | 20m以上 |
200を超える | 30m以上 |
構造・設備
- 湿潤でなく、かつ、排水の良い場所
- 柵等を設けて明確に区画する
- 標識および掲示板の設置
- 架台を設ける場合は、不燃材料。堅固な地盤面に固定。
- 架台の高さは6m未満
屋外貯蔵所に貯蔵できる危険物
■第二類危険物
・S、Sのみを含有する物
・引火性固体(引火点が0℃以上のもの)
■第四類危険物
・特殊引火物,第一石油類(引火点0℃未満)はダメ
給油取扱所の基準
Ⅰ.屋外給油取扱所
位置
保安距離,保有空地の規制なし
構造・設備
- 自動車等が出入りするための給油空地 … 間口10m以上、奥行6m以上
- 注油空地 … 灯油もしくは軽油を容器につめかえ、または車両に固定された容量4,000L以下のタンクに注入するための固定注油設備のホース機器の周囲。
- 給油空地,注油空地は、漏れた危険物が浸透したいための舗装。排水溝および油分離装置。
- 10,000L以下の廃油タンクを地盤面下に埋設可能。容量600L以下の簡易タンクを同一品質の危険物ごとに1基ずつ3基まで設置可能。
- 専用タンク,廃油タンクの構造・設備 = 地下貯蔵タンクの基準
- 先端に弁を設けた全長5m以下の給油ホースまたは注油ホースには静電気を有効に除去できる装置
- ホース直近の位置に危険物の品目を表示
- 固定給油設備および固定注油設備は、道路境界線等からある一定の間隔を保つ
懸垂式の場合道路境界線から4m以上 - 給油取扱所には、給油業務用途以外の建築物はダメ。
・詰め替えのための作業場
・事務所
・給油取扱所に出入りする者を対象とした店舗(コンビニも含む),飲食店,展示場
・点検整備の作業場
・給油取扱所の関係者の住居,事務所 - 自動車等の出入りする側を除き、高さ2m以上の耐火構造または不燃材料の塀または壁。
- 事務所そのた火気を使用するものは、漏れた可燃性蒸気が内部に流入したい構造。
Ⅱ.屋内給油取扱所
上屋(キャノピー)等の面積が給油取扱所の敷地面積から事務所等建築物の1階部分の床面積を引いた面積が1/3を超えるもの
位置
保安距離、保有空地の規制なし
構造・設備
- 壁・柱・床・はりが耐火構造で、病院,福祉施設等を有しない建築物に設置
- 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分の窓および出入口には、防火設備。ガラスは網入りガラス。
- 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分の1階の二方については、通風および避難のための空地に面するとともに壁を設けない。
- 建築物の上部に上階を有する場合は、危険物の漏えいの拡大および上階への延焼を防止する措置
- 専用タンクには、危険物の過剰な注入を自動的に防止する設備
Ⅲ.セルフスタンド
位置
保安距離,保有空地の規制なし
構造・設備
- 進入する際見やすい個所にセルフスタンドである旨を示す
- 顧客用固定給油設備
・給油ホースの先端部に手動開閉装置を備えた給油ノズル・満タンになったとき給油を自動的に停止する構造
・著しい引張り力が加わった時に分離。分離した部分から漏えいを防止。
・誤給油を有効に防止できる構造
・1回の連続した給油量および給油時間の上限を設定
・地震時、自動的に停止 - 顧客用固定注油設備
・注油ホースの先端部に開放状態で固定できない手動開閉装置を備えた注油ノズル・満タン時に自動的に停止
・1回の連続した給油量および給油時間の上限を設定
・地震時、自動的に停止 - 第三種固定式泡消火設備を設置
- 彩色
自動車用ガソリン一号 | 自動車用ガソリン二号 | 軽油 | 灯油 |
ハイオク | レギュラー | 軽油 | 灯油 |
黄 | 赤 | 緑 | 青 |
販売取扱所の基準
店舗において容器のままで販売する取扱所
位置
保安距離,保有空地のきせいなし
建築物の1階に設置
第一種販売取扱所 | 15倍以下 |
第二種販売取扱所 | 15倍を超え40倍以下 |
第一種販売取扱所の構造・設備
- 標識および防火に関する必要な事項を掲示した掲示板
- 店舗部分は準耐火構造、店舗とその他の部分の隔壁は耐火構造。
- はりは不燃材料。天井を設ける場合は不燃材料。
- 店舗部分に上階がある場合は上階の床を耐火構造。上階がない場合は屋根を耐火構造または不燃材料。
- 店舗の窓および出入口には防火設備。ガラスは網入りガラス。
- 電気設備 = 製造所の電気設備の基準
- 配合室
・床面積は6m2以上10m2以下。床は危険物が浸透しない構造+傾斜+貯留設備
・壁で区画
・出入口には随時開けることができる自動閉鎖の特定防火設備。しきい高さは床面から0.1m以上。・可燃性蒸気または可燃性微粉を屋根上に排出する設備
第二種販売取扱所の構造・設備
延焼の恐れのない部分に限り窓を設けることができ、窓には防火設備。
移送取扱所の基準
配管およびポンプ並びにこれらに付属する設備
位置
保安上設置してはならない場所がある
震災時の避難空地,鉄道・道路の隧道内,高速道路の車道など
構造
- 配管等の材料は、規格に適合すること
- 配管等の内圧、移送される危険物の重量等に対して安全なもの
- 配管等の接合は溶接によって行う
- 配管は有害な伸縮を吸収する措置
- 市街地等に配管を設置する場合は、危険物の拡散を防止する措置
設備
- ポンプおよびその付随設備の設置は、機械的性質、保有空地、保安距離など一定の基準に適合したもの
- 配管の経路には、感震装置および通報装置
- 警報設備等保安のための設備には予備電源
特定移送取扱所
- 液体の圧力が高く、配管の距離が長いもの
- 15kmを超えるもの。
- 最大常用圧力が0.95MPa以上で7km以上のもの。
一般取扱所の基準
指定数量以上の危険物を取扱う施設で、いずれにも分類されない取扱所
位置・構造・設備については製造所の基準を準用
標識・掲示板
標識
■製造所等(移動タンク貯蔵所を除く)
幅0.3m以上、長さ0.6m以上。白地に黒色文字。
製造所等の名称(「危険物製造所」等)を記載。
■移動タンク貯蔵所
0.3m平方以上、0.4m平方以下。黒地に黄色の反射塗料で「危」。
車両の前後の見やすい個所に掲示。
掲示板
- 幅0.3m以上、長さ0.6m以上。白地に黒色文字。
危険物の類,品名,貯蔵最大数量(取扱最大数量),指定数量の倍数,危険物保安監督者の氏名または職名 - 給油取扱所 … 黄赤色地に黒文字で「給油中エンジン停止」
- 危険物の正常に応じて注意事項(禁水,火気注意,火気厳禁)を掲示
■禁水
第一類危険物(アルカリ金属の過酸化物)
第三類危険物(K,Na,アルキルAl,アルキルLi)
■火気注意
第二類危険物(引火性固体を除くすべて)
■火気厳禁
第二類危険物(引火性固体)
第三類危険物(自然発火性物品,アルキルAl・Li,黄りん)
第四類危険物(すべて)
第五類危険物(すべて)
消火設備
消火設備の種類
第一種消火設備 | 屋内消火栓設備 屋外消火栓設備 |
第二種消火設備 | スプリンクラー設備 |
第三種消火設備 | 水蒸気消火設備・水噴霧消火設備 泡消火設備 二酸化炭素消火設備 ハロゲン化物消火設備 粉末消火設備 |
第四種消火設備 | 大型消火器 |
第五種消火設備 | 小型消火器 乾燥砂 膨張ひる石・膨張真珠岩 水バケツ・水槽 |
消火の困難性
区分 | 消火設備 |
著しく消火困難な製造所等 | (第一種or第二種or第三種)+第四種+第五種 |
消火困難な製造所等 | 第四種+第五種 |
上記以外(移動タンクを除く) | 第五種 |
所要単位と能力単位
■所要単位
製造所等に対して、必要な消火能力設備を定める単位。
製造所等の構造,規模,危険物の数量をもとに計算。
「1所要単位=指定数量10倍」
■能力単位
所要単位に対応する消火設備の消火能力の基準の単位
製造所等 | 1所要単位当たりの数値 | |
製造所 取扱所 |
耐火構造 | 延面積100m2 |
不燃材料 | 延面積50m2 | |
貯蔵所 | 耐火構造 | 延面積150m2 |
不燃材料 | 延面積75m2 | |
屋外の製造所等 | 外壁を耐火構造とし、水平最大面積を建坪とする建物と見なして算定 | |
危険物 | 指定数量10倍 |
■製造所等の面積,倍数、性状等に関係なく消火設備が定められているもの
・地下タンク貯蔵所 … 第五種消火設備2個以上
・移動タンク貯蔵所 … 自動車用消火器(第五種)のうち粉末消火器またはその他の消火器2個以上
■電気設備に対する消火設備は、電気設備のある場所の面積100m2ごとに1個以上
■消火設備と防護対象物までの歩行距離
・第四種消火設備:30m以下
・第五種消火設備:20m以下
警報設備・避難設備
警報設備
指定数量10倍以上 → 警報設備
■自動火災報知設備
・製造所,一般取扱所:延べ面積500m2以上。屋内で100倍以上。一般取扱所の用に供する部分以外の部分を有する建築物に設けるもの。
・屋内貯蔵所:100倍以上。150m2以上。軒高が6m以上の平屋建て。
・屋外タンク貯蔵所:岩盤タンク
・屋内タンク貯蔵所:階層設置の屋内タンク貯蔵所で著しく消火困難に該当するもの
・給油取扱所:一方開放の屋内給油取扱所。上部に上階を有する屋内給油取扱所。
■消防機関に報知できる電話,非常ベル装置,拡声装置,警鐘
(いずれか1種類以上)
・指定数量が10倍以上のもの
避難設備
給油取扱所 → 誘導灯
貯蔵・取扱いの共通基準
- 許可・届出された品名以外の危険物、指定数量の倍数を超える危険物を貯蔵・取り扱わない。
- みだりに火気を使用しない。
- 係員以外のものをみだりに出入りさせない。
- 常に整理整頓。
- 貯留設備,油分離装置はあふれないように随時汲み上げる。
- 危険物のくず・かす等は、1日に1回以上廃棄・処理する。
- 危険物の性質に応じ、遮光・換気を行う。
- 温度計,湿度計,圧力計その他の計器を監視して、適正な環境で。
- 危険物が漏れ,あふれ,飛散しない措置。
- 危険物の変質,異物の混入等により、危険性が増大しないような措置。
- 修理を行い際は、安全な場所に置いて危険物を完全に除去した後。
- 容器はその危険物の性質に応じ、かつ破損,腐食,さけめ等がないもの。
- みだりに転倒,落下,衝撃,引きずる等粗暴な行為をしない。
- 可燃性の蒸気・ガスが漏れ・滞留する恐れのある場所は、電線と電気器具とを完全に接続し、火花を発する工具等を使用しない。
- 危険物を保護液中に保存する場合は、保護液から露出しないように。
類ごとの共通基準
類別 | 共通基準 |
第一類 | 可燃物との接触もしくは混合、分解を促す物品との接近等を避ける。 アルカリ金属の過酸化物は水との接触を避ける。 |
第二類 | 酸化剤との接触、火花等を避ける。 鉄粉、金属粉,Mgは水または酸との接触を避ける。 引火性固体にあってはみだりに蒸気を発生させない。 |
第三類 | 自然発火性物品は炎や高温体との接近,空気との接触を避ける。 禁水性物品は水との接触を避ける。 |
第四類 | 炎や高温体との接近は避ける。みだりに蒸気を発生させない。 |
第五類 | 炎や高温体との接近は避ける。衝撃,摩擦も避ける。 |
第六類 | 可燃物との接触もしくは混合、分解を促す物品との接触、過熱は避ける。 |
貯蔵の基準
危険物以外の物品の貯蔵
危険物以外の物品を原則として同時貯蔵はできない。
屋内・屋外貯蔵所において相互に1m以上の間隔を置く場合OK。
異なる類の危険物の貯蔵
類を異にする危険物は、同一貯蔵所において貯蔵しないこと。
屋内・屋外貯蔵所において相互に1m以上の間隔を置く場合OKなものもある。
・第一類(アルカリ金属過酸化物除く)と第五類
・第一類と第六類
・第二類と自然発火性物品
・第二類(引火性固体)と第四類
・第四類(有機過酸化物)と第五類(有機過酸化物)
貯蔵の基準
- 屋内・屋外貯蔵所において危険物を貯蔵する場合は、高さ3m以下。
ただし第三石油類,第四石油類,動植物油類の容器は4m以下、これを機械により荷役する構造の場合は6m以下。 - 屋外貯蔵所:架台で貯蔵する場合は6m以下
- 屋内・屋外貯蔵所においては容器に収納貯蔵。
- 屋内貯蔵所:危険物の温度が55℃を超えない
- 屋外タンク,屋内タンク,地下タンク,簡易タンクの計量口は、計量するとき以外は閉鎖。
- 屋外タンク,屋内タンク,地下タンクの元弁および注入口の弁は、出し入れ以外は閉鎖。
- 防油堤の水抜口は通常閉鎖。滞油または滞水した場合は、遅滞なく排出。
- 移動貯蔵タンク:類,品名,最大数量を表示
- 移動貯蔵タンク:底弁は使用時以外は完全に閉鎖
取扱の基準
取扱別の基準
■製造
- 蒸留工程:内部圧力変動等により液体,蒸気,ガスが漏れないようにする
- 抽出工程:抽出缶の内圧が異常上昇しないようにする
- 乾燥工程:危険物の温度が局部的に上昇しない方法で加熱・乾燥する
- 粉砕工程:粉末が機械等に付着してい状態で機械等を使用しない
■詰替
- 危険物で容器につめかえる場合は、規則で定める容器に収納。防火上安全な場所で。
■消費
- 吹き付け塗装作業:防火上有効な隔壁等で区画された安全な場所で。
- 焼き入れ作業:危険物が危険な温度に達しないように
- 染色・洗浄:換気。廃液を放置せず安全に処置。
■廃棄
- 焼却:安全な場所で、燃焼・爆発によって損害を及ぼす恐れのない方法で。見張り人をつける。
- 埋没:危険物の性質に応じ、安全な場所で行う。
- 危険物は、海中または水中に流出させ、または投下させない。
施設区分ごとの取り扱い基準
■給油取扱所
- 給油するときは固定給油設備を使用し、直接給油する。
- 自動車等のエンジンを停止させ、自動車等が給油空地からはみ出したまま給油しない。
- 自動車等の洗浄は、引火点を有する液体の洗剤を使用しない。
- 物品の販売等の業務は、原則として建築物の1階のみで行う。
■販売取扱所
- 容器入りのままで販売
- 配合又は詰替えは、配合室以外では行わない。
■移動タンク貯蔵所
- 移動貯蔵タンクから容器に詰替えない。
- 詰替えできる危険物は引火点40℃以上の第四類危険物に限られる。
- 引火点40℃未満の危険物を注入する場合は、移動タンク貯蔵所のエンジンを停止して行う。
- 安全な注油速度で行う
運搬の基準
運搬容器
運搬容器の構造および最大容積は、収納する危険物を固体と液体に分け、危険物の類別および危険等級に応じて規定。
積載方法
- 危険物の積載は、原則として運搬容器に収納すること。
- 運搬容器は密封。ただし内圧上昇がある場合は、発生するガスが毒性又は引火性等の危険性がある場合を除き、ガス抜き口を設けた運搬容器で可。
- 固体の危険物:内容積の95%以下で。
- 液体の危険物:内容積の98%以下で、かつ、55℃の温度で漏れないこと。
- 一つの外装容器には、異なる類の危険物を収容しないこと。
- 運搬容器の外部には、次の内容を表示。
品名,危険等級,化学名,数量,注意事項 - 転落,落下,転倒,破損しないように積載すること
- 運搬容器は、収納口を上方に向けて積載すること
- 積み重ねる場合は高さ3m以下とすること
- 特定の危険物については、必要な措置を講ずること
危険物の種類 必要な措置 第一類,自然発火性,特殊引火物,第五類,第六類 遮光性の被覆 第一類(アルカリ金属の過酸化物),第二類(Fe粉,金属粉,Mg),禁水性 防水性の被覆 第五類(55℃以下で分解するもの) 保冷コンテナ - 混載禁止のものがある。(1/10倍以下は適用外)
第一類 第二類 第三類 第四類 第五類 第六類 第一類 × × × × ○ 第二類 × × ○ ○ × 第三類 × × ○ × × 第四類 × ○ ○ ○ × 第五類 × ○ × ○ × 第六類 ○ × × × ×
運搬方法
- 運搬容器が著しく摩擦,動揺しないこと
- 指定数量以上の場合は、標識を掲示
- 積み替え,休憩等一時停止させるときは安全な場所を選ぶこと
- 指定数量以上の場合、消火設備
- 運搬・移送中の危険物等の火災・流出事故時の迅速な災害対策としてイエローカードおよび容器イエローカードの活用普及が図られている
移送の基準
移動タンク貯蔵所による危険物の移送には、その危険物を取り扱うことができる危険物取扱者が乗車しなければならない。
危険物取扱者は免状を携帯していなければならない。
移送開始前に、底弁その他の弁,消火器等の点検を十分行うこと
移送が長時間になる場合は、2名以上の運転要員を確保
・一人の連続運転時間が、4時間を超える場合・一人の運転時間が、1日当たり9時間を超える場合
アルキルAl,アルキルLiその他省令で定める危険物を移送する場合は、移送経路等を記載した書面を消防機関に送付し、携帯。
移動タンク貯蔵所に備え付けておく書類
完成検査済証,定期点検記録,譲渡・引渡の届出書,品名・数量又は指定数量の倍数の届出書
義務違反とその措置
義務違反と措置命令
市町村長等から
- 危険物の貯蔵・取扱い基準順守命令
- 危険物施設の基準維持命令
- 製造所等の緊急停止命令
- 危険物保安統括管理者または危険物保安監督者の解任命令
- 予防規定変更命令
- 危険物施設の応急措置命令
- 移動タンク貯蔵所の応急措置命令
許可の取消しと使用停止命令
■許可の取消し,又は使用停止命令
- 無許可変更
- 完成検査前使用
- 措置命令違反
- 保安検査未実施
- 定期点検未実施
■使用停止命令
- 危険物の貯蔵,取扱い基準の順守命令に違反したとき
- 危険物保安統括管理者を定めないとき又はその者に保安監督をさせていないとき
- 危険物保安統括管理者または危険物保安監督者の解任命令に違反したとき
立入検査等
■立入検査
市町村長等 → 使用者等に対し、資料の提出または報告を求め、消防職員に立ち入らせ検査,質問,危険物を収去させることができる
■走行中の移動タンク貯蔵所の停止
消防吏員又は警察官は、停止させ、危険物取扱者免状の提示を求めることができる
罰則規定
両罰規定 … 違反行為をした従業者を罰するとともに、事業主も罰すること
事故時の措置
事故発生時の応急措置
事故発見者の通報義務
事故の原因調査