物性の問題と解説
各類の危険物の概要に関する問題と解説
問題1
危険物の類とその状態の組み合わせとして、次のうち誤っているものはどれか。
- 第1類……固体
- 第2類……固体
- 第3類……液体または固体
- 第5類……液体
- 第6類……液体
解答:(4)
解説:第5類は、第3類と同じく、液体または固体です。
問題2
危険物の類ごとの共通する性状として、次のうち正しいものはどれか。
- 第1類の危険物は酸化性の液体である。
- 第2類の危険物は自然発火性の固体である。
- 第3類の危険物は引火性の固体である。
- 第5類の危険物は自己反応性の液体である。
- 第6類の危険物は酸化性の液体である。
解答:(5)
解説:
- 第1類の危険物は酸化性の固体である。
- 第2類の危険物は可燃性の固体である。
- 第3類の危険物は自然発火性及び禁水性の物質である。(液体と固体がある)
- 第5類の危険物は自己反応性の物質だが、液体だけでなく固体もある。
問題3
危険物の類ごとの性状について、次のうち正しいものはどれか。
- 第1類の危険物は可燃性物質で、分子中に酸素を含有しているが、燃焼速度は遅い物質である、
- 第3類のほとんどの危険物は、空気中で自然発火するか、あるいは水と接触して発火、もしくは可燃性ガスを発生するかのいずれかの性質を有する。
- 第4類の危険物は、いずれも水に溶けない。
- 第5類の危険物は自己反応性の物質で、加熱等により急激に発熱,分解する。
- 第6類の危険物は酸化性の固体で、可燃物と接触すると酸素を発生する。
解答:4
解説:
(1) 第1類の危険物は、可燃性ではなく不燃性物質である。
(2) 第3類のほとんどの危険物は、空気中で自然発火し、または水と接触して発火、もしくは可燃性ガスを発生するという、「自然発火性と禁水性」の両方の危険性を有している。したがって、「いずれか」の部分が誤りである。
(3) たとえばアルコール類や第1石油類であるアセトンなどは水にとけるので誤り。
(5) 第6類の危険物は、酸化性の「液体」である。
問題4
危険物の性状について、次のA~Eのうち誤っているものはいくつあるか。
A. 第1類の危険物は、一般に不燃性物質であるが、加熱,衝撃,摩擦などにより分解して酸素を放出するため、周囲の可燃物の燃焼を著しく促進する。
B. 第2類の危険物は、いずれも着火または引火性の危険性のある固体の物質である。
C. 第4類の危険物は、ほとんどが炭素と水素からなる化合物で、一般に蒸気は空気より重く低所に流れ、火源があれば引火する危険性がある。
D. 第5類の危険物は、いずれも可燃性の固体で、加熱,衝撃,摩擦等により発火し爆発する。
E. 第6類の危険物は、いずれも酸化力が強い無機化合物の強酸で、腐食性があり皮膚を侵す。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:1
解説:
A:正しい
B:第2類の危険物は、着火または引火の危険性のある固体の物質なので、正しい。
C:正しい
D:第5類の危険物は、可燃性の固体または液体である。
E:正しい
問題5
危険物の類ごとの性状について、次のA〜Eのち正しいものはいくつあるか。
A. 第2類の危険物は、一般に酸化剤と混合すると、打撃などにより爆発する危険物がある。
B. 第3類の危険物は、いずれも酸素を自ら含んでいる自然発火性の物質である。
C. 第4類の危険物は、いずれも比重が1より大きく、酸素を含んでいる物質である。
D. 第5類の危険物は、いずれも比重が1より大きい可燃性の固体で、空気中に長時間放置すると分解し、可燃性ガスを発生する。
E. 第6類の危険物は、いずれも不燃性の液体で、多くは腐食性があり皮膚を侵す。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:2
解説:
A:正しい
B:第3類の危険物は、禁水性または自然発火性の物質であり、自信に酸素を含んでいるのは第1類や第5類などの危険物です。
C:B同様、酸素を含んでいるのは、第1類第5類などの危険物である。また、第4類の危険物には酢酸などのように比重が1よりも大きいものがありますが、ほとんどのものは比重が1より小さいので、誤り。
D:第5類の危険物は、比重が1より大きい、と言う部分は正しいが、可燃性の固体だけではなく、液体もあるので誤り。
E:正しい。
従って、正しいのはAとE
第1類に共通する特性の問題と解説
問題1
第1類の危険物の一般的な性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- すべて、周囲の完成の燃焼を著しく促す作用のある可燃性物質である。
- ほとんどは無色の結晶か、または白色の粉末である。
- 水と作用して、熱と酸素を発生するものがある。
- 酸化性の無機化合物である。
- 潮解性の物質は木材や紙などに染み込み、乾燥した場合は爆発の危険性がある。
解答:1
解説:「周囲の可燃物の燃焼を著しく促す作用のある」までは正しいが、第1類の危険物は、可燃性ではなく不燃性物質である。
問題2
第1類の危険物の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 分解を抑制するために保護液に保存するものもある。
- 一般に不燃性の物質である。
- 加熱,衝撃および摩擦等によって分解し、酸素を発生する。
- 酸化されやすい物質と混合することは非常に危険である。
- 一般に比重は1より大きい物質である。
解答:1
解説:分解を抑制するため保護液に保存するものがあるのは、灯油中に保存するナトリウムなどのような第3類の危険物である。
問題 3
第1類の危険物の性状について、次のうち正しいものはいくつあるか。
- 可燃物や有機物などの酸化されやすい物質との混合物は、加熱,衝撃および摩擦等により爆発する危険性がある。
- きわめて引火しやすい物質である。
- 他の物質を酸化する物質を分子構造中に含有し、加熱等により分解して酸素を放出する。
- 自然発火性の物質である。
- 一般に、潮解性を有するものは少ない。
解答:2
解説:
- 正しい
- 第1類の危険物は、自身は燃焼しないので誤り。
- 正しい
- 自然発火性の物質は、第3類の危険物。
- 第1類の危険物には、潮解性を有するものが多い。
問題 4
第1類の危険物に共通する貯蔵、取扱の基準について、次のうち誤っているものはどれか。
- 分解を促す薬品類との接触を避ける
- 火気との接近を避ける
- 可燃物との接触を避ける
- 分解を防ぐため、水分で湿らせておく
- 強酸との接触を避ける
解答:4
解説:アルカリ金属の過酸化物は、水と反応して酸素を放出するので、水分との接触は厳禁です。
問題5
第1類の危険物に共通する貯蔵、取扱の基準について、次のうち誤っているものはどれか。
- 潮解しやすいものにあっては、湿気に注意する
- 加熱、衝撃および摩擦などを避ける
- 容器を密封して冷所に保存する
- 熱源、酸化されやすい物質とは隔離する
- 火災が発生した場合に備え、二酸化炭素消火器を設置しておく
解答:5
解説:第1類の危険物に二酸化炭素は不適応です。
問題6
第1類の危険物に共通する貯蔵、取扱の基準について、次のうち正しいものはどれか。
- 第2類の危険物とは、少し離して貯蔵した
- 有機物や還元性物質とは隔離した
- 容器は金属、ガラスまたはプラスチック製とし、酸素が発生した場合に備え、容器のふたをゆるめておいた
- 酸化作用が強いので、還元剤と一緒に保存した
- 照明器具に非防爆型のものを使用した
解答:2
解答:
- 第2類の危険物(可燃物)とは一緒に貯蔵できないので誤り
- 還元性物質とは、つまり酸化されやすい物質のことであり、その還元性物質や有機物が第1類危険物と混合すると、加熱や衝撃などによって爆発する危険性がある。
- 容器は密封(密栓)する必要がある。
- 還元剤と混合すると爆発の危険性があるので、誤り。
- 照明器具や換気装置には、防爆型のものを使用する必要がある。
問題7
第1類危険物の火災の消火方法として、次のうち誤っているものはどれか。
- 窒息消火は、効果的ではない。
- アルカリ金属の過酸化物以外は、大量の水による冷却消火が効果的である。
- 液体のものは、乾燥砂を用いると効果的である。
- アルカリ金属の過酸化物は、水と反応して発熱するものがあるので、注意する必要がある。
- アルカリ金属の過酸化物の火災においては、水は使用せず、初期の段階では粉末消火剤や乾燥砂を用いて消火する。
解答:3
解説:
- 危険物自体に酸素を含有しているので、窒息消火しても燃焼時に分解して酸素を供給するので、窒息消火は効果的でない。
- 大量の水によって危険物の分解を抑制することができるので正しい。
- 第1類の危険物は酸化性固体であり、液体ではないので、誤り。
問題8
次に掲げる危険物にかかわる火災の消火方法について、誤っているものはどれか。
- 過酸化カリウム………………………………. 強化液消火器で消火した
- 亜塩素酸ナトリウム……………………… 泡消火器で消火した
- 過酸化ナトリウム…………………………… 炭酸水素塩類の粉末消火器で消火した
- 臭素酸カリウム………………………………. 霧状の水を放射する消火器で消火した
- 過酸化マグネシウム……………………. 乾燥砂で消火した
解答:1
解説:
- 過酸化カリウムと(3)の過酸化ナトリウムは、アルカリ金属の過酸化物なので、消火に水または水系の消火器(強化液消火器や泡消火器など)は厳禁である。
- 亜塩素酸ナトリウムは、1類の消火の原則である「大量の水」で消火する。泡消火器は、水系の消火器であり、適応するので正しい。
- 過酸化ナトリウムに適応するのは、炭酸水素塩類の粉末消火器や乾燥砂、膨張ひる石なので、正しい。
- 臭素酸カリウムも水または粉末消火剤を用いて消火するので正しい。
- 過酸化マグネシウムは、アルカリ金属ではなくアルカリ土類金属であるが、それでもやはり注水は好ましくない。乾燥砂をかけるか、あるいは粉末消火器で消火するので、正しい。
問題9
次に掲げる危険物に係わる火災の消火について、水を用いることが適切でないものはいくつあるか。
- 過マンガン酸カリウム 過酸化バリウム
- 過酸化ナトリウム 塩素酸ナトリウム
- 二酸化鉛 過塩素酸アンモニウム
- 過酸化マグネシウム 臭素酸カリウム
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:3
解説:
もの問題も、「アルカリ金属の過酸化物に水は厳禁である」というポイントをターゲットにした問題である。ここで注意しなければならないのは、注水が不適応なのは、アルカリ金属の過酸化物の他、アルカリ土類金属のマグネシウムやバリウムなども不適応であると言うこと。
従って、8つの危険物からこれらの注水不適応の危険物を探すと、「過酸化バリウム、過酸化ナトリウム、過酸化マグネシウム」の3つとなる。
問題10
第1類の危険物と木材等の可燃物が共存する火災の消火方法として、次のA〜Eのうち誤っているものはいくつあるか。
- 亜塩素酸塩類は注水を避けなければならない
- 亜塩素酸塩類は強酸の液体で中和し、消火する
- 無機過酸化物は注水を避け、乾燥砂をかける
- 過塩素酸は注水により消火する
- 硝酸塩類は二酸化炭素等で窒息消火するものが最も有効である
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:3
解説:
この問題も、「1類は原則注水」から確認すると、A、Bの亜塩素酸塩類も原則注水なので、A、Bとも誤り。
また、Cの無機過酸化物は注水を避け、乾燥砂か炭酸水素塩類の粉末消火器などを使用するので、正しい。
Dの過塩素酸、Eの硝酸塩類も「原則注水」なので、Dは正しく、Eは誤り。
従って、誤っているのは、A、B、Eの3つとなる。
第1類に属する各危険物の問題と解説
問題1
塩素酸カリウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 強烈な衝撃や急激な加熱によって爆発する。
- 水に溶けにくい。
- アンモニアとの反応生成物は自然爆発することがある。
- 炭素粉との混合物は摩擦等の刺激によって爆発する。
- 加熱すると分解して、水素を発生する。
解答:5
解説:
加熱すると分解して、水素ではなく自身が含有している酸素を発生する。
問題2
塩素酸カリウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色の結晶または白色の粉末である。
- 少量の濃硝酸の添加によって爆発する。
- 水酸化カリウム水溶液の添加によって爆発する。
- 硫黄や赤リンと混合したものは、加熱やわずかな刺激で爆発する危険性がある。
- 有毒である。
解答:3
解説:
塩素酸カリウムは、少量の強酸(濃硝酸など)の添加によって爆発する危険性はあるが、水酸化ナトリウムのような強アルカリの添加では爆発しない。
問題3
塩素酸カリウムの貯蔵および取扱方法について、次のうち誤っているものはどれか。
- 分解を促す薬品類との接触は避ける。
- 有機物や酸化されやすい物質との接触を避け、保護液中に保存する。
- 摩擦、衝撃を避ける。
- 容器は密封して保管する。
- 換気のよい冷暗所に貯蔵する。
解答:2
解説:
(2)塩素酸カリウムの貯蔵および取扱方法については、有機物や酸化されやすい物質との接触を避けるのは正しいが(爆発を防ぐため)、保護液中に保存するのではなく、換気のよい冷暗所に密栓をして貯蔵する。
問題4
塩素酸ナトリウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 比重は1より大きい。
- 酸性液は強い酸化力を持つ。
- 加熱すると、分解して酸素を発生する。
- 水に溶けるが、グリセリン、アルコールには溶けない。
- 可燃物と混合すると、加熱、摩擦の衝撃で爆発する。
解答:4
解説:
塩素酸ナトリウムは、水やアルコールおよびグリセリンにも溶ける。
問題5
塩素酸ナトリウムについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 300℃以上に加熱すると分解して過塩素酸となり、酸素を発生する。
- 潮解性があるので、注水による消火は避ける。
- 無色の結晶である。
- 換気のよい冷暗所に貯蔵する。
- 潮解性があるので、特に容器は密栓して保管する。
解答:2
解説:
(2)塩素酸ナトリウムには潮解性があるが、他の第1類の危険物同様、注水消火が原則なので誤り。
問題6
過塩素酸塩類の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 赤リンまたは硫黄との混合物は、衝撃、加熱により爆発することがある。
- 比重が1より小さい結晶である。
- 過塩素酸塩類は、常温(20℃)では塩素酸塩類よりも安定である。
- 過塩素酸ナトリウムは、潮解性がある。
- 過塩素酸カリウムは、水に溶けにくい。
解答:2
解説:
1,2,5,6類の危険物の比重は1より大きいので、(2)が誤り。
問題7
過塩素酸塩類の性状として、次のうち正しいものはどれか。
- 過塩素酸カリウムは、塩素酸カリウムよりも不安定で危険な物質である。
- 過塩素酸アンモニウムは、常温で白色、または無色の液体である。
- 過塩素酸ナトリウムは、燃焼性の強酸化剤である。
- 過塩素酸カリウムは水に溶けにくいが、過塩素酸ナトリウムは溶けやすい。
- 過塩素酸アンモニウムの消火には、霧状の水は適すが棒状の水は適さない。
解答:4
解説:
(1) 過塩素酸塩類は、塩素酸塩類も安定した危険物である。
(2) 第1類の危険物は液体ではなく固体である。
(3) 第1類の危険物は、燃焼性ではなく不燃性の危険物である。
(4) 正しい。
(5) 霧状の水、棒状の水とも適する。
問題8
過塩素酸アンモニウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 水よりも重い。
- 水に溶けない。
- 無色または白色の結晶である。
- 加熱により分解し、有毒なガスが発生する。
- 摩擦や衝撃により、爆発することがある。
解答:2
解説:
過塩素酸アンモニウムは、水やエタノールに溶ける。
問題9
無機過酸化物の一般的性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 有機物などと接触すると、衝撃や加熱によって爆発する危険性がある。
- 加熱すると分解して酸素を発生する。
- 水と作用して発熱し、分解して酸素を発生する。
- 一般に吸湿性が強い。
- アルカリ土類金属の無機過酸化物は、アルカリ金属の無機過酸化物に比べて水と激しく反応する。
解答:5
解説:
(5)問題文は逆で、アルカリ金属の過酸化物のほうが水と激しく反応する。
問題10
無機過酸化物の性状として、次のA〜Eのうち正しいものはいくつあるか。
- 過酸化カリウムは、水に触れると分解して水素を発生する。
- 過酸化ナトリウムは、水に触れると酸素を発生し水酸化ナトリウムを生成する。
- 過酸化カルシウムは、酸に溶けて過酸化水素を発生する。
- 過酸化バリウムは、水に溶けにくい。
- 過酸化マグネシウムは、加熱すると分解して酸素を発生し、酸化マグネシウムとなる。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:4
解説:
Aのみが誤りで、一般に、無機過酸化物が水に触れると分解して、水素ではなく酸素を発生する。
問題11
無機過酸化物に関する次のA〜Eの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
- 過酸化カリウムには、潮解性がある。
- 過酸化ナトリウムは、吸湿性の強い黄白色の粉末である。
- 過酸化カルシウムは、水に溶けにくい無色の粉末である。
- 過酸化カリウムは、吸湿性の強いオレンジ色の粉末である。
- 過酸化バリウムの火災時には、初期の段階では注水消火が適している。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:1
解説:
誤っているのはEのみで、過酸化バリウムなどのアルカリ土類金属には注水消火は不適切である。
問題12
無機過酸化物の貯蔵および取扱方法として、次のうち誤っているものはどれか。
- 有機物との接触を避ける。
- 容器はガス抜き口を設けて、膨張による破損を避ける。
- 加熱や衝撃等を避ける。
- 乾燥状態で保管する。
- 冷暗所に貯蔵する。
解答:2
解説:
各類とも、容器は原則として密栓する必要がある。
問題13
過酸化ナトリウムの貯蔵および取扱方法として、次のA〜Eのうち正しいものはいくつあるか。
- 可燃物と接触しないようにする。
- 加熱する場合は、水分および火気のない部屋で行う。
- 異物が混合しないようにして貯蔵する。
- 直射日光を避け、乾燥した冷暗所で貯蔵する。
- 安定剤として、硫黄を混ぜて貯蔵する。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:3
解説:
A:正しい
B:第1類の危険物に共通する「貯蔵および取扱い上の注意」より、加熱は避けなければならないので誤りである。
C:異物、特に有機物などの可燃物が混入すると、衝撃などによって爆発する危険性があるので、正しい。
D:正しい
E:Cより、硫黄などの可燃物を混ぜると爆発する危険性があるので、誤りである。
問題14
亜塩素酸ナトリウムについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 吸湿性のある、白色の結晶または結晶性粉末である。
- 塩酸や硫酸などの無機酸などとは激しく反応するが、シュウ酸やクエン酸などの有機酸とはほとんど反応しない。
- 金属粉などの可燃物などと混合すると、爆発する危険性がある。
- 直射日光や紫外線で徐々に分解する。
- 消火の際には多量の水で注水するのがよい。
解答:2
解説:
亜塩素酸ナトリウムは、有機酸、無機酸とも反応し、有毒なガスを発生する。
問題15
亜塩素酸ナトリウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 自然に放置した状態でも分解して少量の二酸化塩素を発生するため、特有な刺激臭がある。
- 鉄を腐食するが、その他の金属と接触しても腐食の恐れはない。
- 酸と混合すると有害なガスを発生する。
- 加熱により分解し、主として酸素を発生する。
- 毒性があり、体内に入ると危険である。
解答:2
解説:
亜塩素酸ナトリウムは、鉄の他、銅や銅合金なども腐食させる。
問題16
硝酸塩類に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
- 硝酸カリウムの消火には、不活性ガスの消化剤を用いるのが最もよい。
- 硝酸ナトリウムには潮解性がある。
- 硝酸カリウムは、赤リンやマグネシウム等と接触すると、発火する危険性がある。
- 硝酸アンモニウムを加熱すると、分解して亜酸化窒素を発生する。
- 硝酸ナトリウムは黒色火薬の原料である。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:2
解説:
A:硝酸カリウムの消火には、原則として第1類の危険物に共通の、大量の水を用いるのが最もよいので誤りである。
B:正しい
C:他の第1類の危険物と同様、赤リンやマグネシウム等の可燃物と接触すると発火する危険性があるので、正しい。
D:正しい
E:黒色火薬の原料となるのは、硝酸ナトリウムではなく硝酸カリウムなので誤り。
従って、誤っているのはA、Eの2つとなる。
問題17
硝酸アンモニウムの性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- 別名硝安といわれている。
- 水に溶ける際は、激しく発熱する。
- 吸湿性がある。
- 容器は密栓して、冷所に貯蔵する。
- 加熱すると、有毒な一酸化二窒素を生じる。
解答:2
解説:
(2)硝酸アンモニウムは水溶性だが、水に溶ける際は発熱ではなく、吸熱する。
(5)正しい。なお、一酸化二窒素は前問のDにある亜酸化窒素のこと。
問題18
ヨウ素酸塩類に関する次のA〜Eの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
- ヨウ素酸カリウムは水に溶けない。
- ヨウ素酸ナトリウムは、エタノールによく溶ける。
- ヨウ素酸カリウムは、加熱によって分解し、酸素を発生する。
- ヨウ素酸ナトリウムは、白色の結晶または結晶性粉末である。
- ヨウ素酸塩類を可燃物と混合させると、加熱や衝撃等によって爆発する危険性がある。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:3
解説:
A:ヨウ素酸カリウムは水に溶けるので誤り。
B:ヨウ素酸ナトリウムはエタノールには溶けないので、誤り。
C:1類は加熱によって分解し、酸素を発生するので正しい。
E:ヨウ素酸ナトリウムは、無色の結晶。
従って、誤っているのはA,B,Dの3つ。
問題19
過マンガン酸カリウムについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色の結晶である。
- 約200℃で分解し、酸素を放出する。
- 水に溶けやすい。
- 可燃物と混合したものは、加熱、衝撃等により爆発する危険性がある。
- 濃硫酸と接触すると爆発する危険性がある。
解答:1
解説:
過マンガン酸カリウムは、無色ではなく、黒紫または赤紫色の結晶である。
問題20
過マンガン酸カリウムについて、次のうち正しいものはいくつあるか。
- 水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液とは反応しない。
- 光線にさらされると分解を始める。
- 塩酸と接触すると、有害な塩素を発生する。
- 水に溶けた場合は、淡黄色を呈する。
- 酢酸やアセトンなどには、溶けない。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:2
解説:
A:過マンガン酸カリウムは、水酸化カリウムなどのアルカリと反応して酸素を発生するので誤り。
B:正しい。従って、貯蔵の際は注意を必要とする。
C:正しい
D:水に溶けた場合は、濃紫色となる。
E:酢酸やアセトンに溶けるので、誤り。
従って、正しいのはB,Cの2つ。
問題21
重クロム酸アンモニウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 橙赤色針状の結晶である。
- 加熱により窒素ガスを発生する。
- 約180℃に加熱すると分解を分解する。
- エタノールに溶けるが、水には溶けない。
- ヒドラジンと混触すると爆発することがある。
解答:4
解説:
重クロム酸アンモニウムは、水にもエタノールにもよく溶ける。
問題22
重クロム酸塩類について、次のうち誤っているものはいくつあるか。
- 重クロム酸アンモニウムを可燃物と混合すると、爆発することがある。
- 重クロム酸カリウムは、有毒で苦味がある化合物である。
- 重クロム酸アンモニウムを加熱すると、分解して有毒ガスを発生する。
- 重クロム酸カリウムは、水やアルコールによく溶ける。
- 重クロム酸アンモニウムは、オレンジ色系の針状結晶である。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:1
解説:
A:1類の危険物に共通する一般的性状であり、正しい。
B:正しい
C:正しい
D:重クロム酸カリウムは、水には溶けるがアルコールには溶けないので、誤り。
E:正しい
従って、誤っているのはDの1つ。
問題23
三酸化クロムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 潮解性の強い暗赤色の針状結晶である。
- 水を加えると腐食性の強い酸となる。
- 皮膚をおかす。
- 水、エタノールに溶ける。
- 空気中の湿気と反応して有毒は白煙を発する。
解答:5
解説:
三酸化クロムは水と反応して発熱するが、潮解性があるので、空気中の湿気、すなわち水分を吸収して、水に溶けたような状態となる。
問題24
二酸化鉛の性状について次のうち誤っているものはどれか。
- 毒性が強い。
- 暗褐色の粉末である。
- 日光に対しては安定である。
- 加熱により分解し、酸素を発生する。
- 水、アルコールには溶けない。
解答:3
解説:
二酸化鉛は、日光に対しては不安定で、日光が当たると分解して酸素を発生する。
問題25
次亜塩素酸カルシウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 常温(20℃)では安定しているが、加熱すると分解して発熱し、塩素を放出する。
- 水溶液は、熱、光などにより分解して酸素を発生する。
- 水と反応して塩化水素を発生する。
- アンモニアと混合すると、発熱、爆発の危険性がある。
- 空気中では次亜塩素酸を遊離するため、塩素臭がある。
解答:1
解説:
第1類の危険物は酸素を含有しているので、加熱や衝撃などにより分解して酸素を放出する。
問題26
次の分の()内に当てはまるもはどれか。
「高度さらし粉は、( )を主成分とする酸化性物質であり、可燃物との混合により発火または爆発する危険性がある。また水に溶け、容易に分解し酸素を発生する。」
- 重クロム酸ナトリウム
- 硝酸アンモニウム
- 過ヨウ素酸ナトリウム
- 次亜塩素酸カルシウム
- 臭素酸カリウム
解答:4
解説:
高度さらし粉の主成分は、次亜塩素酸カルシウムである。
第2類の危険物に共通する特性の問題と解説
問題1
第2類の危険物の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 常温(20℃)で液状のものがある。
- いずれも酸化剤との接触は危険である。
- 比重は1より大きいものが多い。
- 燃焼の際、有毒ガスを発生するものがある。
- いずれも可燃性の物質である。
解答:1
解説:
第2類の危険物は可燃性の固体である。
問題2
第2類の危険物の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 水と反応するものがある。
- 大部分のものは、無色または白色の固体である。
- 微粉状のものは、空気中で粉じん爆発を起こしやすい。
- 燃焼するときに有毒なガスを発生するものがある。
- 酸化剤と混合すると、爆発することがある。
解答:2
解説:
(1)硫化リンなどが水と反応する
(2)「大部分が無色または白色」というのは、第1類の危険物に共通する性状。
(4)硫黄は燃焼して、有害な二酸化硫黄(亜硫酸ガス)を発生する。
問題3
第2類の危険物の性状について、次のA〜Eのうち正しいものはいくつあるか。
- いずれも固体の無機物質である。
- 消火するのが困難なものがある。
- 一般に水には溶けにくい。
- それ自体有毒なものがある。
- 空気中の湿気により自然発火するものがある。
(1) なし (2) 1つ (3) 2つ (4) 3つ (5) 4つ
解答:5
解説:
A引火性固体の中には有機物質が含まれている。
問題4
第2類の危険物に共通する火災予防の方法として、次のうち誤っているものはどれか。
- 還元剤との接触または混合を避ける。
- 冷暗所に貯蔵する。
- 火気または加熱を避ける。
- 引火性固体にあっては、みだりに蒸気を発生させない。
- 一般に防湿に注意し、容器は密封する。
解答:1
解説:
第2類の危険物は可燃物なので、酸素を供給する物質、すなわち酸化剤と接触または混合すると、衝撃等により爆発する危険性がある。
第2類に属する各危険物の問題と解説
問題1
硫化リンの性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- 黄色または淡黄色の結晶である。
- 比重は1より小さく、水に浮く。
- 水または熱湯と反応すると、可燃性で有毒な硫化水素を発生する。
- 燃焼すると有毒ガスを発生する。
- 金属粉と混合すると、自然発火する。
解答:2
解説:
(2) 第2類の危険物の比重は、一般に1より大きいので、水に沈む。(ただし固形アルコールの比重は1より小さいので、水に浮く)
(5) 硫化リンを酸化剤や金属粉と混合すると、自然発火の危険性がある。
問題2
硫化リンの貯蔵または取扱いについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 容器のふたには、通気性のよいものを使用する。
- 火気や加熱を避ける。
- 水や酸化剤および金属粉などと接触しないようにする。
- 換気のよい冷暗所に貯蔵する。
- 衝撃や摩擦等を与えないように注意する。
解答:1
解説:
一般に、第2類の危険物は(硫黄を除く)、湿気(水分)を避けるため密栓をして貯蔵する。従って、通気性があれば防湿効果がないので(1)が誤りとなる。
問題3
五硫化リンが水と反応して発生する有毒な気体はどれか。
- 二酸化硫黄
- 五酸化リン
- リン化水素
- 硫化水素
- リン化水素と二酸化硫黄
解答:4
解説:
硫化リンが水(三硫化リンは熱水)と反応すると、加水分解され、硫化水素を発生する。
問題4
硫化リンが加水分解されて発生するガスの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色の気体である。
- 空気よりも重い
- 毒性はほとんど無い
- 特異な悪臭を発する気体である。
- 空気と混合して引火、爆発する危険性がある。
解答:3
解説:
発生する気体は硫化水素である。
問題5
五硫化リンについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 有毒である。
- 空気中の湿気と反応すると、有毒ガスを発生する。
- 換気のよい冷暗所に保存する。
- 消火の際には、乾燥砂や不燃性ガスによる窒息消火が効果的である。
- 空気中で自然発火することがある。
解答:5
解説:
五硫化リンは、酸化剤や金属粉と混合すると、自然発火の危険性があるが、単独ではその危険性はないので(5)は誤り。
なお、(4)の硫化リンの消火については、水と反応すると硫化水素を発生するので、注水は避ける必要がある。
問題6
赤リンの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 赤色系の粉末である。
- 反応性は、黄リンよりも不活性である。
- 燃焼生成物には強い毒性がある。
- 約50℃で空気中で自然発火する。
- 比重は1より大きい。
解答:4
解説:
黄リンを含んでいる赤リンは自然発火の危険性があるが、純粋なものは自然発火しない。
(約50℃で空気中で自然発火するのは黄リンのほう。)
問題7
赤リンの性状について、次のA〜Eのうち正しいものはいくつあるか。
- 黄リンの同素体である。
- 特有の臭気を有している。
- 水に溶けにくいが、二硫化炭素によく溶ける。
- 常圧では約400℃で昇華する。
- 空気中でリン光を発する。
(1) なし (2) 1つ (3) 2つ (4) 3つ (5) 4つ
解答:3
解説:
A:正しい
B:黄リンには不快臭があるが、赤リンに臭気はない。
C:水にも二硫化炭素にも溶けない。
D:正しい
E:リン光を発するのは黄リンの方であり、赤リンにはそのような性状はない。
従って、正しいのはA、Dの2つとなる。
問題8
赤リンについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 純粋なものは、空気中に放置しても自然発火しない。
- 空気に触れないように水中で貯蔵する。
- 燃焼時には、有毒なリン酸化物を発生する。
- 塩素酸カリウムとの混合物は、わずかの刺激で爆発する。
- 消火の際には、大量の水を用いて冷却消火する。
解答:2
解説:
(2) 水中貯蔵するのは黄リンのほうである。
(3) リン酸化物とは、五酸化リンのこと。
(4) 塩素酸カリウムは酸化剤であり、第2類の危険物の共通する性状から、酸化剤と混合すると、熱や衝撃により爆発する危険性がある。
問題9
硫黄の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 電気の良導体であり、摩擦により静電気が発生しやすい。
- 黄色の固体または粉末である。
- 発火しやすいので、炎、火花および高温体などとの接近を避ける。
- 高温で金属と反応して、硫化物を作る。
- 微粉が浮遊していると、粉じん爆発の危険性がある。
解答:1
解説:
硫黄は電気の不良導体であるため、静電気が発生しやすく、貯蔵の際には静電気が発生しないように注意する必要がある。
問題10
硫黄の性状について、次のうち適当でないものはどれか。
- 燃焼すると、二酸化硫黄を生じる。
- 水よりも重い。
- 酸化剤と混合すると、発火しやすくなる。
- 斜方硫黄、単斜硫黄、非結晶、ゴム状硫黄などがある。
- 水や二硫化炭素によく溶ける。
解答:5
解説:
硫黄は、二硫化炭素には溶けるが、水には溶けない。
問題11
硫黄の性状について、次のうち正しいものはどれか。
- 空気中において、約100℃で発火する。
- 固体のまま表面で燃焼して一酸化炭素の黄色煙を発生する。
- 酸に溶けて硫酸を生成する。
- 燃焼の際に発生するガスは有毒である。
- 水と接触すると、激しく発熱する。
解答:4
解説:
- 硫黄の発火点は約360℃なので、100℃では発火しない。
- 一酸化炭素ではなく、二酸化硫黄(無色)を発生する。
- 硫酸は、二酸化硫黄から三酸化硫黄を作り、水を加えて生成する。
- 燃焼の際に発生するガスは、有毒な二酸化硫黄なので正しい。
- 水と激しく反応して発熱するのは三酸化硫黄であり、硫黄は水とは反応しない。
問題12
硫黄について、次のうち誤っているものはどれか。
- 二硫化炭素に溶けやすい。
- きわめて不快な臭気を有する。
- 消火の際には、一般的に、大量の噴霧中水により一挙に消火する。
- 塊状の硫黄は、麻袋やわら袋などに入れて貯蔵する。
- 発火した場合には、燃焼生成物が流動して燃焼面を拡大するので、水と土砂などを用いて消火する。
解答:2
解説:
硫黄は、無臭・無毒なので(2)が誤り。
問題13
鉄粉の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 灰白色の粉末である。
- 空気中の湿気により酸化蓄熱し、発熱することがある。
- アルカリと反応して酸素を発生する。
- 微粉状のものは、発火する危険性がある。
- 一般に、強磁性体である。
解答:3
解説:
鉄粉は、アルカリではなく酸と反応して水素を発生する。
問題14
鉄粉の一般的性状について、次のうち正しいものはいくつあるか。
- 乾燥した鉄粉は、小炎で容易に引火し白い炎を上げて燃える。
- 希塩酸に溶けて水素を発生するが、水酸化ナトリウム水溶液にはほとんど溶けない。
- 鉄粉の堆積物は、単位重量あたりの表面積が大きいので、酸化されやすい。
- 燃焼すると酸化鉄になる。
- 空気中で酸化されやすく、湿気によってさびが生じる。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:4
解説:
A:正しい
B:鉄粉は、酸に溶けて水素を発生するが、アルカリには溶けないので正しい。
C:鉄粉でも、浮遊状態にあるものは単位重量あたりの表面積が大きくなるので(浮遊状態にあるので、隣接する鉄の粒子同士が離れていて空気と接する部分が多いため)、酸化されやすくなるが、堆積物になると隣接する鉄の粒子同士が密着しているので、空気と接する部分が小さくなる。従って、単位重量あたりの表面積が小さくなるので、酸化されにくくなる。
D:燃焼すると酸化鉄になるので正しい。
E:正しい
従って、C以外みな正しいので、正しいのは4つとなる。
問題15
鉄粉の火災の消火方法について、次のうち適切なものはどれか。
- 注水する。
- 膨張真珠岩(パーライト)で覆う。
- 強化液消火剤を放射する。
- 二酸化炭素消火剤を放射する。
- 泡消火剤を放射する。
解答:2
解説:
鉄粉の火災には、乾燥砂や膨張真珠岩で覆う窒息消火が効果的である。
問題16
アルミニウム粉の性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- 銀白色の粉末である。
- 塩酸に溶けて発熱し、水素を発生する。
- 空気中に浮遊している場合は、粉じん爆発のおそれがある。
- 空気中の水分で自然発火することがある。
- 水に溶けて酸素を発生する。
解答:5
解説:
アルミニウム粉は、水には溶けず、また、水と反応した場合は酸素ではなく水素を発生する。
問題17
アルミニウム粉の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- ハロゲン元素と接触すると発火する。
- 酸に溶けて水素を発生するが、アルカリとは作用しない。
- 熱水と反応すると発熱し、水素を発生する。
- 亜鉛粉よりも危険性が大きい。
- 酸化剤と混合したものは、摩擦、衝撃等により発火する。
解答:2
解説:
アルミニウム粉は、塩酸や硫酸などの酸だけでなく、水酸化ナトリウムなどのアルカリとも反応して水素を発生する。
問題18
亜鉛粉の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 酸と反応すると、水素を発生する。
- 水分があれば、ハロゲンと容易に反応する。
- 高温で水蒸気を分解して水素を発生する。
- 水酸化ナトリウムの水溶液と反応して酸素を発生する。
- 硫黄と混合したものを加熱すると、硫化亜鉛を発生する。
解答:4
解説:
亜鉛粉は、アルミニウム粉とほぼ同じ性状を有するので、「酸だけでなく、アルカリとも反応して水素を発生する」
問題19
亜鉛粉の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 灰青色の金属である。
- 酸化剤と混合したものは、摩擦、衝撃等により発火することがある。
- 水分を含む塩素と接触すると、自然発火することがある。
- 火災の場合、大量の水によって消火する。
- 硫酸の水溶液と反応して水素を発生する。
解答:4
解説:
鉄粉や金属粉の火災に水は厳禁。乾燥砂などを用いて消火する。
問題20
マグネシウム粉の一般的性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 温水を作用させると、水素を発生する
- 吸湿したマグネシウム粉は、発熱し発火することがある。
- 有機物と混合すると発火や爆発する恐れがあるが、無機物と混合したものは安定である。
- 空気中に浮遊していると、粉じん爆発を起こすことがある。
- マグネシウムと酸化剤の混合物は、発火しやすい。
解答:3
解説:
(3) たとえば、有機物で酸性物質でもある酢酸(有機酸)とマグネシウムが混合すると水素を発生し、発火や爆発する危険性があるので、前半は正しい。しかし、無機物である酸化剤とマグネシウムなどの第2類の危険物を混合すると、衝撃等により、発火、爆発する危険性があるので、後半の「無機物と混合したものは安定である」の部分が誤り。
問題21
マグネシウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 製造直後のマグネシウム粉は、発火しやすい。
- マグネシウムの酸化皮膜は、さらに酸化を促進する。
- 空気中の湿気により、自然発火することがある。
- 添加すると激しく燃焼する。
- 棒状のマグネシウムは、直径が小さい方が燃えやすい。
解答:2
解説:
マグネシウムの表面が酸化被膜で覆われると、空気と接触できなくなるので、酸化は進行しなくなる。
問題22
引火性固体について、次のうち誤っているものはどれか。
- 引火性固体は、発生した蒸気が主に燃焼する。
- 引火性固体の引火点は40℃以下であり、常温(20℃)では引火しない。
- 固形アルコールとは、合成樹脂にメタノールまたはエタノールをしみこませたものである。
- ラッカーパテとは、トルエン,ニトロセルロース,塗料用石灰等とを配合した下地用塗料である。
- ゴムのりとは、生ゴムをベンジン等に溶かした接着剤である。
解答:2
解説:
引火性固体とは、1気圧において引火点が40℃未満のものをいい、常温(20℃)でも引火する危険性があるので、(2)が誤り。
問題23
固形アルコールについて、次のうち誤っているものはどれか。
- メタノールまたはエタノールを凝固剤で固めたものである。
- 常温(20℃)では、可燃性蒸気は発生しない。
- 密閉しないと蒸発する。
- 通風、換気のよい冷暗所に貯蔵する。
- 火気または加熱を避けて貯蔵する。
解答:2
解説:
引火性固体は常温(20℃)でも可燃性蒸気を発生する危険性があるので、(2)が誤り。
問題24
第2類の危険物の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- すべて可燃性である。
- 引火性を有するものがある。
- 熱水と反応して、リン化水素を発生するものがある。
- 燃えると有害ガスを発生するものがある。
- 酸にもアルカリにも溶けて、水素を発生するものがある。
解答:3
解説:
- 第2類の危険物は可燃性の固体なので、正しい
- 引火性固体は可燃性蒸気を発生し、引火性を有するので、正しい。
- 三硫化リンは熱水と反応して、リン化水素ではなく硫化水素を発生するので、誤り。
- 例えば、硫黄は燃焼して有毒hな二酸化硫黄(亜硫酸ガス)を発生するので、正しい。
- 金属粉は、酸にもアルカリにも溶けて、水素を発生するので正しい。
問題25
第2類の危険物の貯蔵または取扱い方法として次のうち適当でないものはどれか。
- 鉄粉、金属粉およびマグネシウムまたはこれらを含有する物質と、水または酸とは接触しないようにする。
- 酸化剤との接触や混合を避ける。
- 引火性固体は、蒸気をみだりに発生させないようにする。
- 可燃性ガスが充満しないように、容器には通気口を設けておく。
- 第1類の危険物とは、特に接触しないようにする。
解答:4
解説:
第2類の危険物は第1類の危険物と同様、容器を密封して冷暗所に貯蔵しておく。
通気口を設けるのは、第5類のメチルエチルケトンパーオーキサイドと第6類の過酸化水素である。
問題26
第2類の危険物の貯蔵または取扱い方法として、次のうち適当でないものはどれか。
- アルミニウム粉は、水分と接触しないようにする。
- 硫化リンは、酸化剤とは隔離して貯蔵する。
- 赤リンは粉じん爆発の危険性があるので、換気に注意して貯蔵する。
- マグネシウムは、吸湿すると発熱して発火する危険性があるので、容器は密栓する必要がある。
- 硫黄は流動性があるので、大きめの容器に水を入れ、その中に貯蔵しておく。
解答:5
解説:
- 鉄粉、金属粉、マグネシウムなどは、水分および酸と接触しないようにしなければならないので、正しい。
- 第2類の危険物に共通する貯蔵、取扱い方法なので、正しい。
- 正しい
- 金属粉やマグネシウムなどは、空気中の水分によって発熱して発火する危険性があるので、容器は密栓する必要があり、正しい。
- 第2類の危険物に水中貯蔵しなければならない物質はないので、誤り。
問題27
次の第2類の危険物のうち、消火の際に水系(泡消火剤を含む)の使用が不適切なものはいくつあるか。
「硫化リン、赤リン、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム、引火性固体」
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:4
解説:
水系の消火剤が厳禁なのは、硫化リン、鉄粉、金属粉、マグネシウム粉の4つ。赤リン、硫黄は注水消火が可能。引火性固体は泡消火剤の使用が可能。
第3類の危険物に共通する特性の問題と解説
問題1
第3類の危険物の品名に該当しないものは、次のうちどれか。
- アルカリ土類金属
- 金属の塩化物
- 金属の水素化物
- ナトリウム
- アルミニウムの炭化物
解答:2
問題2
第3類の危険物の品名に該当しないものは、次のA〜Eのうちいくつあるか。
- アルキルアルミニウム
- 硫黄
- カリウム
- カルシウム
- 赤リン
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:2
解説:
第3類の危険物の品名に該当しないものは、Bの硫黄(第2類の危険物)とEの赤リン(第2類の危険物)の2つ。
問題3
第3類の危険物の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 常温(20℃)において、固体または液体のものがある。
- 自然発火性および禁水性の両方の性質を有するものがある。
- 乾燥した常温(20℃)の空気中では、発火の危険性がないものもある。
- ほとんどのものは、水との接触により可燃性ガスを発生し、発熱あるいは発火する。
- 物質自体は、不燃性である。
解答:5
解説:
第3類の危険物には、不燃性のものもあれば可燃性のものもある。
問題4
第3類の危険物に関する貯蔵および取扱い方法について、次のうち誤っているものはどれか。
- 貯蔵容器は密封する。
- 酸化剤との接触または混合を避ける。
- 保護液はすべて炭化水素を用いる。
- 通風および換気のよい冷所に貯蔵する。
- 自然発火性の物品は、炎、火花、高温体との接触、または加熱を避ける。
解答:3
解説:
第3類の危険物の保護液は灯油などの炭化水素を用いるものもあるが、水を用いる黄リンや不活性ガスを用いるジエチル亜鉛などもあるので、(3)が誤り。
問題5
第3類の危険物の火災予防の方法として、次のうち正しいものはいくつあるか。
- 自然発火性物品は、空気との接触を避ける。
- 乾燥状態では自然発火の危険性があるので、湿度の高い場所に貯蔵する。
- 容器の破損や腐食には特に注意する。
- 保護液に保存された物品は、保護液の減少に注意し、危険物が保護液から露出しないようにする。
- 常に窒素などの不活性ガスの中で貯蔵し、または取り扱う必要がある。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:3
- 正しい
- 禁水性の物品は、湿度(水分)を避けて貯蔵しなければならないので、誤り。
- 正しい
- 正しい
- 水素化ナトリウムのように、窒素などの不活性ガスの中で貯蔵するものもあるが、すべてがそうではなく、灯油や水中で貯蔵するものもあるので、誤り。
従って、正しいのは、A,C,Dの3つ。
問題6
すべての第3類の危険物火災の消火方法として次のうち有効なものはどれか。
- 噴霧注水する。
- 乾燥砂で覆う。
- 二酸化炭素消火剤を放射する。
- 泡消火剤を放射する。
- ハロゲン化物消火剤を放射する。
解答:2
解説:
第3類の危険物には、水を使えない禁水性の物質があるので、(1)と(4)は誤り。また、不活性ガスが不適な物質もあるので、(3)と(5)も誤り。従って、(2)の乾燥砂が正解となる。
第3類に属する各危険物の問題と解説
問題1
カリウムの性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- 銀白色の柔らかい金属である。
- 比重は1より小さく、水に浮く。
- 腐食性が強い。
- 常温(20℃)で水と接触すると、酸素を発生して発火する。
- 水素とは、高温で反応する。
解答:4
解説:
カリウムは水と激しく反応しますが、酸素ではなく水素を発生する。
問題2
カリウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 炎の中に入れると、炎に特有の色がつく。
- 空気中の水分と反応して発熱し、自然発火することがある。
- 原子は1価の陰イオンになりやすい。
- やわらかく、融点は100℃より低い。
- 有機物に対して強い還元作用がある。
解答:3
解説:
(1)カリウムを炎の中に入れると、紫色を出して燃焼する。
(3)カリウムはアルカリ金属であり、周期表の1族に属し、原子価は1価の陰イオンではなく1価の陽イオン(+1)になりやすい物質。
問題3
カリウムについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 空気に触れるとすぐに酸化されるので、水中に貯蔵する。
- 火気や加熱を避けて貯蔵する。
- 室温においては、灯油と反応することはない。
- 換気のよい冷暗所に貯蔵する。
- 潮解性を有する物質である。
解答:1
解説:
(1)カリウムは、空気との接触を避けるため、灯油中に貯蔵する。
(2),(4)は第3類に共通する貯蔵、取扱い方法である。
問題4
ナトリウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 水よりも軽い。
- 水と激しく反応する。
- 融点は約98℃である。
- 燃えるときは、紫色の炎を出す。
- 酸化されやすい物質である。
解答:4
解説:
紫色ではなく黄色の炎をあげて燃焼する。
問題5
ナトリウムの性状として、次のうち適当でないものはどれか。
- 常温(20℃)では、固体である。
- 銀白色の柔らかい金属である。
- エタノールと反応すると、発熱して酸素を発生する。
- 化学的反応性は、カリウムより劣る。
- 空気中では表面がすぐに酸化する。
解答:3
解説:
カリウムやナトリウムは、水やアルコールと反応して発熱するが、酸素ではなく水素を発生する。
問題6
アルキルアルミニウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 空気中で自然発火する。
- アルキル基の炭素数が多くなると、発火の危険性が高まる。
- 水、アルコールと反応してアルカンを生成する。
- ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素系溶媒に可溶であり、これらに希釈したものは反応性が低減する。
- アルキル基をハロゲン元素で置換すると危険性は低下する。
解答:2
解説:
- 空気と接触すると、急激に酸化されて発火する危険性があるので、正しい。
- 空気や水と接した場合の危険性は、アルキル基(CH3-(CH2)n)の炭素数が多くなると逆に小さくなる。
問題7
アルキルアルミニウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- アルキル基とアルミニウムの化合物であり、ハロゲンを含むものもある。
- 水とは、激しく反応して発火する。
- ハロゲン数の多いものは、空気や水との反応性が大きくなる。
- 危険性を低減するため、ベンゼンやヘキサンなどで希釈して取り扱われることが多い。
- 一般に、無色の液体で、空気に触れると急激に酸化される。
解答:3
解説:
アルキルアルミニウムは、炭素数やハロゲン数の多いものほど反応性は逆に小さくなるので、(3)が誤り。
問題8
アルキルアルミニウムの貯蔵、取扱いについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 空気と接触すると発火するので、水中に貯蔵する。
- 身体に接触すると皮膚等をおかすので、保護具を着用して取り扱う。
- 高温においては分解するので、加熱を避ける。
- 自然分解により容器内の圧力が上がり容器が破損する恐れがあるので、ガラス容器では長期保存しないほうがよい。
- 一時的に空になった容器でも、容器内に付着残留しているおそれがあるので、窒素など不活性ガスを封入しておく。
解答:1
解説:
- アルキルアルミニウムは、空気だけではなく水とも激しく反応するので、水中ではなく窒素などの不活性ガス中で貯蔵する。
問題9
アルキルアルミニウムの消火方法として、次のうち正しいものはいくつあるか。
- ハロゲン化物消火剤を放射する。
- 乾燥砂に吸収させる。
- 泡消火剤を放射する。
- リン酸塩類等を使用する粉末消火剤を放射する。
- 膨張ひる岩で燃焼物を囲む。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:2
解説:
- ハロゲン化剤を放射すると、有毒ガスを発生するので不適当。
- 正しい。
- アルキルアルミニウムに水系の消火剤は厳禁なので、誤り。
- 粉末消火剤を使用する場合、炭酸水素ナトリウム等を含む粉末消火剤を用いる必要があるので、誤り。
- 正しい。
従って、適切なのはB,Eの2つ。
問題10
ノルマルブチルリチウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 常温(20℃)では赤褐色の結晶である。
- 空気と接触すると白煙を生じ、燃焼する。
- 貯蔵容器には、不活性ガスを封入する。
- 水、アルコールと激しく反応する。
- ベンゼン、ヘキサンに溶ける。
解答:1
解説:
ノルマルブチルリチウムの性状について考える場合は、アルキルアルミニウムに準じて考えればいいので、(2)〜(5)は正しい。(1)に関しては、赤褐色の結晶ではなく、黄褐色の液体である。
問題11
リチウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 銀白色の柔らかい金属である。
- ハロゲンとは激しく反応し、ハロゲン化物を生ずる。
- すべての金属の中で、一番軽い。
- 常温で水と反応し、水素を発生する。
- 空気に触れると直ちに発火する。
解答:5
解説:
一般に、第3類の危険物は、自然発火性と禁水性の両方の性状を有しているが、リチウムに関しては自然発火性の性状はなく、禁水性のみの性状なので、(5)が誤り。
問題12
リチウムについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 高温で燃焼して酸化物を生じる。
- 水とは、ナトリウムよりも激しく反応する。
- カリウムやナトリウムより比重が小さい。
- 深紅色または深赤色の炎を出して燃える。
- 火災の場合、水を使用することはできない。
解答:2
解説:
- 正しい。
- リチウムは水とは激しく反応するが、アルカリ金属では”別格扱い”のカリウムやナトリウムよりは反応性は低いので、誤り。
- リチウムは金属の中で一番軽い、つまり比重が一番小さいので、正しい。
- 正しい
- リチウムは禁水性なので、正しい。
問題13
バリウムについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 水とは、常温(20℃)では反応しないが、高温では激しく反応して水素を発生する。
- ハロゲンとは常温(20℃)で激しく反応する。
- 黄緑色の炎を出して燃える。
- 水素とは高温で反応し、水素化バリウムを生じる。
- 消火の際は、乾燥砂等を用いて窒息消火する。
解答:1
解説:
バリウムは常温(20℃)でも水と反応して、水素を発生する。
問題14
黄リンの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 比重が1より大きく、猛毒性を有する固体である。
- 発火点が約50℃と低い、自然発火性の物質である。
- 無機物とはほとんど反応しない。
- 不快臭がある。
- 酸化されやすい。
解答:3
解説:
- 黄リンは、無機物である酸化剤とは激しく反応して発火する危険性がある。
問題15
黄リンの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 淡黄色の固体である。
- 水とは激しく反応する。
- 空気中に放置すると徐々に発熱し、発火に至る。
- 燃焼すると、五酸化二リンになる。
- 暗所では青白色の光を発する。
解答:2
解説:
黄リンは、自然発火性の物質であるが、他の第3類の危険物のように禁水性ではなく、水と反応しない。
問題16
次の文の()内のA〜Cに入る語句の組み合わせとして正しいものはどれか。
「黄リンは反応性に富み、空気中で(A)して五酸化二リンを生じる。このため(B)の中に保存される。また、(C)であり、空気を断って約250℃に熱すると赤リンになる。」
A B C
(1) 分解 水 無毒
(2) 自然発火 水 無毒
(3) 自然発火 アルコール 有毒
(4) 分解 アルコール 無毒
(5) 自然発火 水 有毒
解答:5
解説:
略
問題17
黄リンの性状として、次のうち正しいものはいくつあるか。
- 二硫化炭素に溶ける。
- 赤リンに比べて安定している。
- 白色または淡黄色のロウ状の固体である。
- 水にはよく溶ける。
- 空気中に放置すると、発火する。
(1) なし (2) 1つ (3) 2つ (4) 3つ (5) 4つ
解答:4
解説:
- 黄リンは、ベンゼンや二硫化炭素に溶けるので、正しい。
- 黄リンは、赤リンに比べて不安定なので、誤り。
- 正しい。
- 黄リンは水にはほとんど溶けないので、誤り。
- 黄リンは酸化されやすく、空気中に放置すると約50℃で発火するので、正しい。
従って、正しいのは、A,C,Eの3つとなる。
問題18
黄リンの消火方法として、次のうち適切でないものはいくつあるか。
- 高圧で注水する。
- 泡消火剤で放射する。
- ハロゲン化物消火剤で放射する。
- 乾燥砂で覆う。
- 噴霧注水を行う。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:2
解説:
黄リンの火災には、噴霧注水(高圧注水は飛散するので×),乾燥砂,泡消火剤,粉末消火剤などを放射して消火するので、AとCが誤り。
問題19
水素化ナトリウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 水と爆発的に反応して、水素を発生する。
- 常温(20℃)では粘性のある液体である。
- 高温でナトリウムと水素に分解する。
- 鉱油中では安定である。
- 還元性が強く、酸化剤と混合すると、加熱や摩擦等により発火する。
解答:2
解説:
水素化ナトリウムは、液体ではなく灰色の結晶性粉末である。
問題20
水素化リチウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 水よりも軽い。
- 空気中の湿気により自然発火するおそれがある。
- 高温でリチウムと水素に分解する。
- 酸化性が強い。
- 水と反応して水素を発生する。
解答:4
解説:
水素化リチウムは、水素化ナトリウム同様、還元性の強い物質である。
問題21
リン化カルシウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 水よりも重い。
- 暗赤色の結晶である。
- 乾いた空気中で、容易に自然発火する。
- 火災の際に、有害な酸化物が生じる。
- 水と反応して、可燃性の気体が発生する。
解答:3
解説:
- リン化カルシウムの比重は、51なので水より重く、正しい。
- 正しい。
- リン化カルシウムは自然発火性(および禁水性)の物質であるが、それは空気中の湿気などの水分と反応して(猛毒で)自然発火性のリン化水素を発生するからであり、湿気のない乾いた空気中では自らは不燃性なので、誤り。
- 正しい。
- 正しい。
問題22
炭化カルシウムの性状等について、次のうち誤っているものはどれか。
- 一般に流通しているものは、不純物として硫黄、りん、窒素、ケイ素等を含んでいる。
- 乾燥した空気中では常温(20℃)において酸素と化合し、酸化カルシウムとなる。
- 通常は白色または灰黒色の塊状の固体である。
- 水と作用して発生するアセチレンガスは無色の気体で空気より軽く、爆発範囲はきわめて広い。
- 高温では還元性を有し、多くの酸化物を還元する。
解答:2
解説:
- 炭化カルシウムの純品は、無色(または白色)であるが、一般に流通しているものは、不純物を含んでいるので、灰黒色の固体である。
- 炭化カルシウムは不燃性なので、常温(20℃)では酸素と化合せず、誤り。
なお、酸化カルシウムとは生石灰のこと。 - (1)の解説参照。
- 炭化カルシウムは水と作用してアセチレンガスを発生し、水酸化カルシウム(消石灰)となる。そのアセチレンガスは、無色の気体で空気より軽く、爆発範囲も広いので、正しい。
- 正しい。
問題23
炭化カルシウムの性状等について、次のうち誤っているものはどれか。
- 吸湿性がある。
- それ自体は不燃性である。
- 純粋なものは、常温(20℃)において無色または白色の正方晶系の結晶である。
- 水と反応して発熱する。
- 比重は1より小さい。
解答:5
解説:
炭化カルシウムは水よりも重く、その比重は2.22である。
問題24
トリクロロシランについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 常温(20℃)において、無色の液体である。
- 水と混合すると、加水分解して水素を発生する。
- 引火点が非常に低く、揮発性が高い。
- 消火の際は、乾燥砂などにより窒息消火するのがよい。
- 貯蔵、取扱いの際は、水分や火気および酸化剤との接触を避ける。
解答:2
解説:
トリクロロシランが水と反応すると、加水分解して塩化水素(HCl)を発生する。
第4類の危険物に共通する特性の問題と解説
問題1
第4類の危険物の一般的な性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 発火点、引火点とも低いほど危険性が大きい。
- いずれも引火点を有する液体または気体で、火気などにより引火しやすい。
- 蒸気比重は1より大きいため、可燃性蒸気は低所に滞留しやすい。
- 一般に電気の不良導体で、静電気が蓄積されやすく、静電気の火花で引火することもある。
- 衝撃、摩擦等により、発火や爆発の危険性がある。
解答:2
解説:
第4類の危険物は引火性液体であり、気体の危険物は存在しない。
問題2
第4類の危険物の一般的な性状として、次のうち正しいものはどれか。
- 一般に自然発火しやすい。
- 水溶性のものは水で希釈すると引火点が低くなる。
- 水溶性のものが多い。
- いずれも沸点は水より低い。
- 流動性が高く、火災になった場合に拡大する危険性がある。
解答:5
解説:
- 第4類危険物で自然発火の危険性があるのは、動植物油類の乾性油だけであり、一般的にはその危険性はないので、誤り。
- 水で希釈すると引火点は逆に高くなるので、誤り。
- 第4類危険物は水に溶けないもの、すなわち、非水溶性のもが多いので、誤り。
- たとえば、灯油の沸点は145〜270℃であり、重油の沸点は300℃なので、誤り。
- 正しい。
問題3
第4類危険物の一般的な性状として、次のうち正しいものどれか。
- 熱伝導率が高いので蓄熱し、自然発火しやすい。
- 伝導率が高いので、静電気が蓄積されやすい。
- 沸点が低いものほど、引火の危険性が高い。
- 燃焼範囲の下限値が高いものほど、危険性も高くなる。
- 発火点が高いものほど、火源がなくても発火しやすくなる。
解答:3
解説:
- 第4類危険物は動植物油類を除き自然発火しない。また、熱伝導が低いほど蓄熱しやすいので、この点も誤り。
- 第4類危険物は、導電率の低い不良導体であるので静電気が蓄積されやすいので、誤り。
- 沸点や引火点が低いものほど、蒸気が発生しやすくなるので、引火の危険性も高くなり、正しい。
- 燃焼範囲の下限値が高いと言うことは、可燃性蒸気の濃度が濃くないと引火しない、ということであり、危険性は逆に低くなる。
- 発火点が高いと言うことは、より高温にならないと発火しないと言うことになるため、誤り。
問題4
第4類の危険物の貯蔵、取扱いの注意事項として、次のうち誤っているものはどれか。
- 容器は直射日光を避け、冷所に貯蔵する。
- 静電気が発生する恐れがある場合は、接地等をして静電気が蓄積しないようにする。
- 発生する蒸気は、なるべく屋外の低所に排出する。
- ホースや配管などで送油する際は、静電気の発生を抑えるため流速をできるだけ遅くする。
- 引火点の低い危険物を取り扱う場合には、人体に帯電した静電気を除去する。
解答:3
解説:
第4類危険物の蒸気は空気より重いので低所に滞留しやすく、床に沿って遠くまで流れていく恐れがある。したがって、屋外の高所に排出することによって、地上に降下する間に希釈させて低所に滞留するのを防ぐ。
問題5
第4類危険物に共通する火災予防および取扱い上の注意について、次のうち誤っているものはどれか。
- 火花や高熱を発する場所に接近させない。
- 静電気の発生を防止するため、貯蔵場所の湿度を低く保つ。
- 可燃性蒸気が滞留する恐れのある場所では、機械器具等を使用しない。
- 容器からの液体や蒸気の漏れには十分注意する。
- 液温が上昇すると引火の危険性が大きくなる。
解答:2
解説:
静電気の発生および帯電を防止するためには、湿度を高く保つことによって、静電気が空気中の水分に逃げるようにする必要がある。
問題6
引火性液体を取り扱う場合、静電気に起因する火災等の事故防止対策として、次のうち適切でないものはどれか。
- 流速を制限するなどして静電気の発生を抑制する。
- 人体が帯電しないよう絶縁性の大きい靴を使用する。
- 加湿器等により室内の湿度を高める。
- 除電器の使用などにより積極的に除電を行う。
- 帯電した電荷が十分に減水するための静置時間を確保する。
解答:2
解説:
絶縁性の大きい靴を使用すると、人体に帯電した静電気が大地に逃げないので、人体に蓄積し、静電火花により発火する危険性がある。
問題7
第4類危険物の火災に対する消火効果について、次のうち誤っているものはどれか。
- 粉末消火剤は効果的である。
- 二酸化炭素消火剤は効果的である。
- 泡消火剤は効果的である。
- 棒状に放射する強化液消火剤は効果的である。
- ハロゲン化物消火剤は効果的である。
解答:4
解説:
油火災に不適応な消火剤は、水と棒状に放射する強化液消火剤である。
問題8
アセトン、エタノールなどの火災に水溶性液体用泡消火剤以外の一般的な泡消火剤を使用した場合は効果的でない。その理由として、次のうち正しいものはどれか。
- 泡が重いため沈むから。
- 泡が燃えるから。
- 泡が乾いて飛ぶから。
- 泡が固まるから。
- 泡が消えるから。
解答:5
解説:
アセトンやアルコールなどの水溶性危険物に一般的な泡消火剤を使用すると、その泡が溶かされて消えてしまい、泡による窒息効果が得られない。
問題9
泡消火剤には、水溶性液体用泡消火剤とその他の一般的な泡消火剤がある。次に示すA〜Fの危険物の火災に際して、一般の泡消火剤の使用が適切でないものはいくつあるか。
A アセトン B キシレン C アセトアルデヒド
D 二硫化炭素 E ガソリン F 酸化プロピレン
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:3
解説:
一般的な泡消火剤の使用が不適当なものは、水溶性危険物である。
水溶性危険物の例は下記。
アセトン、アセトアルデヒド、アルコール類、酸化プロピレン、酢酸、グリセリン など
第4類に属する各危険物の問題と解説
問題1
ジエチルエーテルの性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- 引火点は、第4類危険物の中では最も低く、発火点も最も低い部類に入る。
- 水より軽い。
- 蒸気は空気よりわずかに軽く、麻酔性がある。
- 揮発性の強い無色透明の液体である。
- 水にはわずかしか溶けない。
解答:3
解説:
- ジエチルエーテルの引火点は-45℃で、第4類危険物の中では最も低く、また、発火点も160℃と、第4類危険物の中では最も低い部類に入るので、正しい。
- ジエチルエーテルの比重は71なので水より軽く、正しい。
- 第4類危険物の蒸気は空気より重いので、誤り。
- 正しい。
- 正しい。
問題2
ジエチルエーテルは、空気と長く接触し、日光にさらされたりすると、加熱、摩擦または衝撃により爆発する恐れがあるが、その理由として、次のうち正しいものはどれか。
- 発火点が著しく低いから。
- 燃焼範囲が広くなるから。
- 可燃性の水素ガスを発生するから。
- 爆発性の過酸化物を生じるから。
- 液温が上昇して引火点に達するから。
解答:4
解説:
ジエチルエーテルは、空気と長く接触し、日光にさらされたりすると、爆発性の過酸化物が生じ、加熱や衝撃などにより爆発する危険性がある。
問題3
二硫化炭素の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 水より軽く、水に溶けない。
- アルコール、ジエチルエーテルに溶ける。
- 蒸気は有毒である。
- 無色透明の液体である。
- 沸点が低いので、揮発しやすい。
解答:1
解説:
(1) 二硫化炭素の比重は1.26であり、水より重いので誤り。
(5) 二硫化炭素の沸点は46℃と水より低く、揮発しやすいので正しい。
問題4
二硫化炭素について、次のうち正しいものはどれか。
- 発生する蒸気は有毒であるが、燃焼時に発生するガスには特に毒性はない。
- 蒸気の発生を抑制するため、貯蔵の際は表面に水を張る。
- 引火点が第4類危険物の中では最も低いので、貯蔵の際は火気には特に注意が必要である。
- 消火の際は、粉末消火剤や泡消火剤などを用い、水の使用は厳禁である。
- 水に溶けやすく、アルコール、ジエチルエーテルにも溶ける。
解答:2
解説:
- 燃焼時に発生するガスは二酸化硫黄(亜硫酸ガス:SO2)であり、有毒なので、誤り。
- 二硫化炭素は水より重く水に溶けないので、貯蔵の際は表面に水を張って蒸気の発生を抑える。
- 引火点ではなく、発火点が第4類危険物のなかでは最も低いので、貯蔵の際は火気には特に注意する必要がある。
- 二硫化炭素は水より重いので、燃焼物の表面を水で覆うことによる窒息消火が可能で、水を使用できることができるため、誤り。
- 水には溶けないので、誤り。
問題5
アセトアルデヒドについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色透明の液体である。
- 水に溶けやすく、また、アルコール、エーテルにも溶けやすい。
- 消火の際は、粉末消火剤、二酸化炭素消火剤の他、一般の泡消火剤も有効である。
- 沸点が非常に低く、引火点も低いので、揮発しやすい。
- 貯蔵する際は、不活性ガスを封入して冷所に保存する。
解答:3
解説:
アセトアルデヒドは水溶性なので、一般の泡消火剤を用いると泡が消えてしまい、窒息効果が得られないので、水溶性液体用泡消火剤を用いる。
問題6
酸化プロピレン(プロピレンガソリン)の性状について、次のうち正しいものはどれか。
- 常温(20℃)では引火しない。
- 無味無臭である。
- 100℃で自然発火する。
- 黄色の揮発性液体である。
- 水、エタノールと混ざり合う。
解答:5
解説:
- 酸化プロピレンの引火点は、-37℃であり、常温(20℃)では引火するのに十分な可燃性蒸気が存在しているので、誤り。
- 特有な臭気(エーテル臭)があるので、誤り。
- 酸化プロピレンの発火点は449℃であり、100℃では自然発火しないので、誤り。
- 酸化プロピレンは無色透明の揮発性液体なので、誤り。
- 酸化プロピレンは、水、エタノールと混ざり合うので、正しい。
問題7
ガソリンの性状等について、次のうち誤っているものはどれか。
- ガソリンは、自動車ガソリン、航空ガソリン、および工業ガソリンの3種に分けられる。
- 蒸気は、空気より重い。
- 水より軽く水に溶けない。
- 流動、摩擦等により静電気が発生する。
- 純度の高いものは、無色、無臭である。
解答:5
解説:
ガソリンは、純度の高いものは無色(自動車用はオレンジ色に着色されている)であるが、無臭ではなく特有の石油臭がある。
問題8
自動車ガソリンの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- ガソリンの組成は、炭素数2〜21程度の炭化水素化合物である。
- 電気の不良導体であり、流動等により静電気が発生しやすい。
- 第1類危険物と混触すると、発火する危険性がある。
- 振動などで帯電し爆発することがある。
- 燃焼範囲は、おおむね1〜8vol%である。
解答:1
解説:
ガソリンの組成は、炭素数が4〜10程度の炭化水素化合物である。
問題9
ガソリンの性状について、次のA〜Eのうち正しいものはいくつあるか。
- 発火点が二硫化炭素より低いので、きわめて発火しやすい。
- 第6類危険物と混触すると、発火する危険性がある。
- 自動車ガソリンや航空ガソリンの着色は、特に定められているわけではない。
- 燃えやすく、沸点まで加熱すると発火する。
- 引火点が低いので、自然発火しやすい。
(1) なし (2) 1つ (3) 2つ (4) 3つ (5) 4つ
解答:2
解説:
- 二硫化炭素の発火点は、第4類危険物の中で最も低く90℃であり、ガソリンの発火点(300℃)の方が高いので、誤り。
- 第1類や第6類危険物のような酸化剤と混触すると、発火する危険性があるので、正しい。
- 灯油などと区別するため、自動車ガソリンはオレンジ色に着色されているので、誤り。
- 燃えやすい点は正しいが、ガソリンの沸点は40〜220℃であり、発火点はそれよりも高い300℃なので、発火しない。
- ガソリンは自然発火しないので、誤り。
したがって、正しいのはBの1つだけ。
問題10
ベンゼンの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 芳香臭のある無色透明の液体である。
- 揮発性があり、蒸気は空気よりも重い。
- アルコール、エーテルなどの有機溶剤によく溶ける。
- 蒸気に毒性はない。
- 水には溶けない。
解答:4
解説:
ベンゼンの蒸気は有毒である。
問題11
トルエンの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色の液体である。
- 水によく溶ける。
- 揮発性があり、蒸気は空気より重い。
- アルコール、ベンゼン等の有機溶剤に溶ける。
- 特有の芳香臭がある。
解答:2
解説:
トルエンは、水には溶けない。
問題12
ベンゼンとトルエンについて、次のうち誤っているものはどれか。
- ともに芳香臭のある無色透明の液体である。
- ともに蒸気は空気より重い。
- 引火点はベンゼンの方が低い
- ともに水には溶けないが、アルコールなどにはよく溶ける。
- ともに蒸気は有毒であるが、毒性はトルエンの方が強い。
解答:5
解説:
(3) 引火点はベンゼンが-10℃、トルエンが5℃なのでベンゼンの方が低く、正しい。
(5) ともに蒸気は有毒であるが、毒性はベンゼンの方が強い。
問題13
アセトンの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 揮発しやすい。
- アルコール、エーテルに溶ける。
- 水より軽い。
- 水に溶けない。
- 無色で特有の臭気がある液体である。
解答:4
解説:
アセトンは、ガソリンやベンゼンなどの非水溶性液体ではなく、水溶性なので、(4)が誤り。
問題14
メタノールの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 常温(20℃)で引火する。
- 無色透明の液体で、水や多くの有機溶剤とよく混ざりあう。
- 深紅の明るい炎と白煙を上げて燃える。
- 飲み下した場合には、失明したり、死ぬことがある。
- 燃焼範囲は、エタノールより広い。
解答:3
解説:
メタノールに限らず、一般にアルコール類の燃焼時の炎は青白く認識しにくいので、「白煙をあげて燃える」ことはない。
問題15
メタノールの性状について、次のうち正しいものはどれか。
- 沸点は水より高い。
- エタノールより炭素数が多い。
- 炭素数が増えると沸点は高くなる。
- 無色無臭である。
- エタノールより毒性は低い。
解答:3
解説:
- メタノールの沸点は65℃であり、水の沸点より低いので、誤り。
- メタノールはCH3OHであり、エタノールは、C2H5OHなので、エタノールより炭素数が少なく、誤り。
- 炭素数が増えると沸点は高くなるので、正しい。
- 無臭ではなく、芳香(アルコール臭)があるので、誤り。
- 毒性はメタノールの方が強いので誤り。
問題16
メタノールとエタノールに共通する性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 引火点は常温(20℃)より高い。
- 沸点は100℃未満である。
- 飽和1価アルコールである。
- 燃焼時の炎の色は淡いため、認識しにくいことがある。
- 蒸気は空気より重い。
解答:1
解説:
メタノールの引火点は11℃で、エタノールの引火点は13℃なので、どちらも常温(20℃)より低い。
問題17
2-プロパノール(イソプロパノール)の性状について、次のうち正しいものはどれか。
- 無色無臭で粘性がある。
- 水より軽く、蒸気は空気より重い。
- -30℃では固体である。
- 水には溶けるが、エタノール、エーテルには溶けない。
- 常温(20℃)では引火しない。
解答:2
解説:
第4類危険物は一般的に「水より軽く、蒸気は空気より重い」。
問題18
灯油の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色または淡(紫)黄色の液体である。
- 蒸気は空気より軽い。
- 流動などにより静電気が発生しやすい。
- 水より軽い。
- 常温(20℃)では引火しない。
解答:2
解説:
第4類危険物の蒸気は空気より重いので、2が誤り。
問題19
灯油の性状として、次のうち正しいものはどれか。
- 引火点は100℃以下である。
- 引火点はガソリンより低い。
- 霧状になって空気中に浮遊する場合は、危険性が大きくなる。
- 水とは一定の割合で溶ける。
- 布などにしみ込ませると、火がつきにくくなる。
解答:3
解説:
- 灯油と軽油の発火点はともに220℃なので、誤り。
- 灯油の引火点は40℃、ガソリンの引火点は-40℃なので、ガソリンより高く、誤り。
- 霧状にすると、空気(酸素)と接する部分が大きくなり、それだけ危険性が大きくなるので、正しい。
- 灯油および軽油は、ほとんどの第4類危険物同様、水には溶けないので、誤り。
- 布などにしみ込ませると、空気(酸素)と接する部分が大きくなり火が着きやすくなるので、誤り。
問題20
軽油の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 淡黄色または淡褐色の液体である。
- ディーゼル油とも呼ばれている。
- 水より軽い。
- ガソリンが混合されたものは引火の危険性が高くなる。
- 引火点は常温(20℃)より低い。
解答:5
解説:
軽油の引火点は45℃であり、常温(20℃)より高いので、5が誤り。
問題21
灯油と軽油に共通する性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- ガソリンが混ざると引火しやすくなる。
- 水より軽く、水に溶けない。
- 静電気が蓄積されやすい。
- 霧状にすると引火しやすくなる。
- 発火点はガソリンより高い。
解答:5
解説:
灯油と軽油の発火点は、ともに220℃であり、ガソリンの発火点は300℃なので、ガソリンより低い。
問題22
クロロベンゼンの性状について、次のうち正しいものはどれか。
- 水より軽い。
- 引火点は常温(20℃)より高い。
- 水と任意の割合で混ざる。
- 蒸気は空気より軽い。
- 無色無臭の液体である。
解答:2
解説:
クロロベンゼンは第2石油類である、第2石油類の定義は、「第2石油類とは、灯油、軽油その他1気圧において、引火点が21℃以上70℃未満のもの」となっている。従って、第2石油類の引火点は常温(20℃)より高いので、(2)が正しい。
問題23
キシレンの性状等について、次のA〜Eのうち、ただしいものはいくつあるか。
- 常温(20℃)では、淡黄色の液体である。
- 3種類の異性体がある。
- 引火点は20℃以下である。
- 芳香臭がある。
- 水に溶けにくく、比重は1より小さい。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:3
解説:
- 無色透明の液体であるので、誤り。
- オルト、メタ、パラの3種類の異性体があるので、正しい。
- オルト、メタ、パラとも、引火点は常温(20℃)より高いので、誤り。
- 正しい。
- 水に溶けにくく、比重は1より小さいので、正しい。
したがって、正しいのは、B,D,Eの3つ。
問題24
酢酸について、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色無臭の液体である。
- 皮膚に触れると火傷を起こす。
- 17℃以下になると凝固する。
- 可燃性の液体である。
- 水溶液は弱い酸性を示す。
解答:1
解説:
酢酸は刺激臭および酸味のある液体である。
問題25
酢酸の性状について、次のうち正しいものはどれか。
- 水より軽い。
- 蒸気は空気より軽い。
- 強い腐食性がある有機酸である。
- 水とは任意の割合で溶解するが、アルコール、エーテルには溶けない。
- 常温(20℃)で容易に引火する。
解答:3
解説:
- 酢酸は、第4類危険物の中では数少ない「水より重い危険物」であるので、誤り。
- 第4類危険物の蒸気は空気より重いので、誤り。
- 正しい。
- 水のほか、アルコール、エーテルにも溶けるので、誤り。
- 酢酸の引火点は41℃であり、常温(20℃)では引火しないので、誤り。
問題26
重油の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 日本工業規格では、A重油、B重油、C重油に分類されている。
- 不純物として含まれる硫黄は、燃焼すると有毒ガスとなる。
- 無色の液体である。
- 加熱しない限り引火の危険性は小さいが、いったん燃え始めると液温が高くなり、消火が大変困難となる。
- 引火点は、一般に70℃以上である。
解答:3
解説:
(3) 重油は、無色ではなく褐色または暗褐色の液体である。
(5) A重油とB重油の引火点は60度以上となっている。
問題27
重油の性状について、次のうち正しいものはどれか。
- 冷水には溶けないが、温水には溶ける。
- 一般に常温(20℃)では、引火の危険性は低い。
- ガソリンや灯油とは混ざらない。
- 液温が引火点以下だと、どんな状態でも引火することはない。
- 揮発性が高いので引火に対しての注意が必要である。
解答:2
解説:
- 重油は、冷水にも温水にも溶けないので、誤り。
- 重油の引火点は60〜150℃なので、常温(20℃)では引火の危険性は低く、正しい。
- 重油はガソリンや灯油と同じく、原油から得られる炭化水素の混合物であり、混ざり合うので、誤り。
- 液温が引火点以下でも霧状にすると引火しやすくなるので、誤り。
- 重油の沸点は300℃以上なので、揮発性が低く、誤り。
問題28
アニリンの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色で特異な臭気を有する液体である。
- 光や空気により変色する。
- ベンゼンやエーテルに溶ける。
- 水溶液は弱酸性である。
- さらし粉水溶液により変色し、赤紫色になる。
解答:4
解説:
アニリンの水溶液は、弱酸性ではなく塩基性を示す。
問題29
クレオソート油について、次のうち誤っているものはどれか。
- 黄色または暗褐色で、粘性のある液体である。
- 特有の臭気がある。
- 水より軽い。
- アルコール、ベンゼンなどには溶けるが、水には溶けない。
- 蒸気は有毒である。
解答:3
解説:
クレオソート油の液比重は第4類危険物では少数派の1.0以上であり、水より重いので、(3)が誤り。
なお、クレオソート油は、重油と同じく引火点が高いので、加熱しない限り引火の危険性は低いが、いったん燃え始めると液温が高くなり、消火が大変困難となる。
問題30
グリセリンの性状等について、次のうち誤っているものはどれか。
- 蒸気は空気より重い。
- 吸湿性を有する。
- 無色無臭である。
- 水よりも重い液体である。
- ガソリン、軽油によく溶ける。
解答:5
解説:
グリセリンは水やエタノールにはよく溶けるが、ガソリンや軽油には溶けない。
問題31
第4石油類について、次のうち誤っているものはどれか。
- ギヤー油やシリンダー油などが該当する。
- 水には溶けず、粘性が高い。
- 潤滑油、切削油類の中に該当するものが多く見られる。
- 引火点は、第1石油類より低い。
- 粉末消火剤の放射による消火は、有効である。
解答:4
解説:
- 第4石油類は、重油と同じく水には溶けず、粘性が高いので、正しい。
- 潤滑油、切削油類の他には、可塑剤、焼入油、電気絶縁油なども第4石油類である。
- 第1石油類の引火点は21℃未満であり、第4石油類の引火点は200℃以上250℃未満なので、第1石油類より高く、誤り。
- 粉末消化剤は第4類危険物の火災(油火災)に有効なので、正しい。
問題32
動植物油類の中で乾性油などは、自然発火することがあるが、次のうち最も自然発火をしやすい状態にあるものはどれか。
- ガラス製容器に入れて長期間、直射日光にさらされている。
- 金属容器に入ったものが長期間、倉庫に貯蔵されている。
- 種々の動植物油が同一場所に大量に貯蔵されている。
- 水が混入したものが屋外に貯蔵されている。
- ぼろ布にしみ込んだものが長期間、通風の悪い場所に積んである。
解答:5
解説:
動植物油類には、乾きやすい油とそうでないものがあり、乾きやすいものから順に、乾性油、半乾性油、不乾性油と分けられている。
このうち、乾性油は、ヨウ素価(乾きやすさを表すもの)が高く、空気中の酸素と反応しやすいので、その際に発生した熱(酸化熱)が蓄積すると自然発火を起こす危険性がある。
従って、乾性油のしみ込んだものを長期間、通風の悪い悪いところに積んでおくと、空気中の酸素と反応して自然発火を起こす危険性があるので、(5)が正解。
第5類の危険物に共通する特性の問題と解説
問題1
第5類危険物に共通する性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- 引火点を有するものがある。
- 水と反応して水素を発生する。
- 比重は1より大きい。
- 分子内に可燃物と酸素供給源が共存している。
- 可燃性物質であり、燃焼速度がきわめて速い。
解答:2
解説:
第5類危険物は水と反応しない。
問題2
第5類危険物の一般的性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 長時間のうちに自然発火するものがある。
- 長時間のうちに重合が進み、次第に性質が変化していくものが多い。
- 有機の窒素化合物が多い。
- 加熱や衝撃により着火し、爆発するものが多い。
- 内部(自己)燃焼を起こしやすい。
解答:2
解説:
(2) 第4類危険物の酸化プロピレンには重合しやすい性質があるが、第5類危険物には、一般にこのような性状はないので、誤り。
(3) 有機の窒素化合物が多いとは、要するに化学式に炭素や窒素を含むものが多いということであり、正しい。
問題3
第5類危険物に共通する性状として次のうち正しいものはどれか。
- 無機化合物である。
- 金属と反応して、爆発性の金属塩を生じる。
- 可燃性の固体である。
- 自己反応性物質なので、発火や爆発を起こしやすい。
- 加熱や衝撃には、比較的安定している。
解答:4
解説:
- 第5類危険物には有機化合物が多いので、誤り。
- 金属と反応して、爆発性の金属塩を生じるものものあるが、すべてがそうではないので、誤り。
- 第5類危険物は、可燃性の固体または液体である。
- 正しい。
- 加熱や衝撃により、発火、爆発する危険性があるので、誤り。
問題4
第5類危険物に共通する貯蔵、取扱いの技術上の基準について、次のうち誤っているものはどれか。
- 湿気を避け、できるだけ乾燥した状態で貯蔵する。
- 火気または加熱などを避ける。
- 通風や換気のよい冷所に貯蔵する。
- 危険物の温度が分解温度を超えないように注意して貯蔵する。
- 加熱、衝撃または摩擦を避けて取り扱う。
解答:1
解説:
- 分解しやすいものは湿気などに注意する必要があるが、過酸化ベンゾイルやピクリン酸などのように、乾燥した状態を避けて貯蔵しなければならない物質もあるので、誤り。
問題5
第5類危険物に共通する貯蔵、取扱いの注意事項として、次のA〜Eのうち正しいものはいくつあるか。
- 廃棄する場合は、できるだけひとまとめにして土中に埋没する。
- 分解しやすい物質は、特に室温、湿気、通風に注意する。
- 容器の破損や容器からの漏洩に注意する。
- 容器は、密栓しないでガス抜き口を設けたものを使用する。
- 断熱性のよい容器に貯蔵する。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:3
解説:
- まとめずに廃棄する必要があるので、誤り。
- 正しい
- 正しい
- 第5類危険物には、メチルエチルケトンパーオーキサイドのように、容器にガス抜き口を設けて通気性を持たせるものもあるが、一般には密栓して貯蔵するので、誤り。
- 正しい。
したがって、正しいのは、B,C,Eの3つとなる。
問題6
第5類危険物の貯蔵、取扱いにおいて、金属との接触を特に避けなければならないものは、次のうちどれか。
- トリニトロトルエン
- ニトログリセリン
- セルロイド
- 硝酸エチル
- ピクリン酸
解答:5
解説:
ピクリン酸は、金属と作用して爆発性の金属塩を生じるので、特に金属との接触を避ける必要がある。
問題7
第5類危険物の消火について、次のうち誤っているものはどれか。
- 一般に、酸素を含有しているので、窒息消火は効果がない。
- 泡消火設備で消火する。
- 危険物が多量に燃えている場合は、消火が非常に困難となる。
- ハロゲン化物消火設備は効果的である。
- スプリンクラー設備で消火するのは効果がある。
解答:4
解説:
第5類危険物にハロゲン化物消火設備は効果がないので、(4)が誤り。
なお、第5類危険物は、燃焼速度がきわめて速いため、消火が非常に困難な物質だが、一般的には大量の水か泡消火剤によって消火する。
問題8
第5類危険物(金属アジ化物を除く)の火災に共通して消火効果が期待できる消火設備は次のA〜Eのうちいくつあるか。
- ハロゲン化物消火設備
- 二酸化炭素消火設備
- 水噴霧消火設備
- 屋外消火栓設備
- 粉末消火設備
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:2
解説:
第5類危険物の消火には、一般的には水系の消火剤が効果的なので、B,Eが正しい。
第5類に属する各危険物の問題と解説
問題1
第5類の有機過酸化物について、次のうち誤っているものはどれか。
- 過酸化水素の1個または2個の水素原子を、有機原子団で置換した化合物である。
- 分子中に酸素・酸素結合(-O-O-)を有する化合物で、結合力は非常に強い。
- 熱、光あるいは還元性物質により容易に分解し、遊離ラジカルを発生する。
- 衝撃、摩擦等に対してきわめて不安定である。
- 自己反応性物質であるが、引火点を有するものがある。
解答:2
解説:
- 有機過酸化物は、過酸化水素(H2O2)の1個または2個の水素原子を有機原子団で置換した化合物であり、正しい。
- 分子中に酸素・酸素結合(-O-O-)を有する化合物というのは正しいが、結合力は弱く(不安定)、容易に分解して遊離ラジカル(遊離基)を発生するので、誤り。
- 有機過酸化物の(-O-O-)の結合力は弱く、容易に分解して遊離ラジカルを発生するので、正しい。
- 有機過酸化物は、加熱、衝撃、摩擦等に対してきわめて不安定で、分解、爆発する危険性があるので、正しい。
- メチルエチルケトンパーオーキサイドのように、引火点を有するものがあるので、正しい。
問題2
過酸化ベンゾイルの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 無味無臭の化合物である。
- 光によって分解される。
- 水、アルコールに溶ける。
- 発火点が非常に低く、衝撃や摩擦等により爆発的に分解する。
- 強力な酸化作用を有している。
解答:3
解説:
(3) 過酸化ベンゾイルに限らず、ほとんどの第5類危険物は水には溶けないので、誤り。
(4) 過酸化ベンゾイルの発火点は125℃と、他の第5類危険物に比べても低く、衝撃や摩擦等により爆発的に分解しやすいので、誤り。
問題3
過酸化ベンゾイルの性状等について、次のうち誤っているものはどれか。
- 着火すると、有毒はな白煙を発生する。
- 特有の臭気を有する無色油状の液体である。
- 油脂、ワックス、小麦粉等の漂白に用いられる。
- 粉じんは眼や肺を刺激する。
- 酸によって分解が促進される。
解答:2
解説:
- 過酸化ベンゾイルは、白色または無色の結晶(固体)で、臭気は特にないので、誤り。
(5) 過酸化ベンゾイルは、濃硫酸や硝酸などの強酸と接触すると分解が促進され、発火、爆発の恐れがあるので、正しい。
問題4
過酸化ベンゾイルの貯蔵、取扱いについて、次のうち正しいものはどれか。
- 衝撃に対して敏感で爆発しやすいため、振動や衝撃を与えないようにする。
- 容器は密栓する。
- 水と徐々に反応して酸素を発生するため、乾燥状態で貯蔵し、取り扱う。
- 高濃度のものほど、爆発の危険性が高いので、注意する。
- 日光により分解が促進されるため、直射日光を避けて冷所に貯蔵する。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:4
解説:
- 過酸化ベンゾイルは、加熱、衝撃、摩擦等に対して敏感で、分解によって爆発する危険性があるので、正しい。
- 一般に、第5類危険物の容器は密栓して貯蔵するので、正しい。
- 第5類危険物は水と反応しないので、誤り。また、過酸化ベンゾイルは、乾燥状態のものほど衝撃、摩擦等により爆発する危険性があり、乾燥状態を避ける必要があるので、この点も誤り。
- 正しい。
- 過酸化ベンゾイルは、日光によって分解が促進されるので、直射日光を避けて冷所に貯蔵する必要があり、正しい。
従って、正しいのはA,B,D,Eの4つとなる。
問題5
メチルエチルケトンパーオーキサイドの性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色透明で、特有の臭気がある。
- ぼろ布、鉄さび等と接触すると著しく分解が促進されるが、アルカリ性物質とは反応しない。
- 比重は1より大きい。
- 光によって分解する。
- 引火性物質である。
解答:2
解説:
メチルエチルケトンパーオーキサイドは、ぼろ布、鉄さびの他、アルカリ性物質などと接触しても著しく分解が促進される。
問題6
過酸化ベンゾイルとメチルエチルケトンパーオーキサイドについて、次のうち正しいものはどれか。
- メチルエチルケトンパーオーキサイドは、自然分解する性質があるが、100℃程度の温度では影響されない。
- 過酸化ベンゾイルは、硫酸、硝酸のような強酸と接触すると激しく分解するが、アミン類とは反応しない。
- メチルエチルケトンパーオーキサイドを貯蔵する際は、容器に収納して密栓し、冷暗所に貯蔵する。
- 過酸化ベンゾイルは白い粉末で特異臭を有し、衝撃、摩擦などによって爆発するが、ピクリン酸ニトロトルエンなどに比較すると、感度は鈍い。
- メチルエチルケトンパーオーキサイドは、純品はきわめて危険であるので、市販品はフタル酸ジメチル等で希釈してある。
解答:5
解説:
- メチルエチルケトンパーオーキサイドは、40℃以上になると分解が促進されるので、誤り。
- 過酸化ベンゾイルは、硫酸、硝酸のほか、アミン類とも反応し、分解、爆発する危険性があるので、誤り。
- メチルエチルケトンパーオーキサイドを貯蔵する際は、内圧の上昇を防ぐため、容器のふたには通気性を持たせる必要があるので、誤り。
- 過酸化ベンゾイルは白い粉末(結晶)であるが、特異臭はなく無臭なので、誤り。
- メチルエチルケトンパーオーキサイドは、純品はきわめて危険であり、市販品はフタル酸ジメチル等で50〜60%に希釈してあるので、正しい。
問題7
硝酸エステル類に属する物質は、次のうちどれか。
- トリニトロトルエン
- ニトロフェノール (ピクリン酸の別名)
- ジニトロベンゼン
- ニトログリセリン
- ジニトロクロロベンゼン
解答:4
解説:
ニトログリセリンが硝酸エステル類であり、それ以外はすべてニトロ化合物である。
問題8
硝酸エチルの性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- 甘みのある無色透明の液体である。
- 水より軽い
- 引火点は常温(20℃)より低い
- 蒸気は空気より重い
- 水にはわずかに溶ける
解答:2
解説:
第5類危険物の比重は1より大きいので、水に沈む。
問題9
硝酸エチルについて、次のうち正しいものはどれか。
- 水には溶けるが、アルコールには溶けない。
- 無色無臭の粉末である。
- 窒息消火が効果的である。
- 沸点は水より低い。
- 窒素量の多い、難燃性の化合物である。
解答:4
解説:
- アルコールや有機溶剤にもよく溶けるので、誤り。
- 無臭ではなく、芳香臭のある液体であるので、誤り。
- 一般に、第5類危険物には窒息消火は効果がないので、誤り。
- 硝酸エチルの沸点は2℃なので、水よりも低く、正しい。
- 硝酸エチルは難燃性ではなく可燃性の危険物なので、誤り。
問題10
次の分の下線部A〜Dのうち、正しいものはどれか。
「ニトロセルロースは、別名、硝化綿ともいい、セルロースをA濃硫酸と濃塩酸の混合液に浸けて得られる、きわめて可燃性の大きいBニトロ化合物である。その浸漬時間などにより硝化度(窒素含有量)が大きいものと小さいものがえら得られ、硝化度が大きいものを強硝化綿(薬)、小さいものを弱硝化綿(薬)という。爆発の危険性はこの硝化度がC小さいものほど大きくなる。なお、D弱硝化綿をジエチルエーテルとアルコールに溶かしたものがラッカー等の原料となるコロジオンである。」
(1) AとC (2) B (3) BとD (4) CとD (5) D
解答:5
解説:
- 「濃硫酸と濃塩酸」は「濃硫酸と濃硝酸」の誤り。
- ニトロ化合物ではなく、硝酸エステル類なので誤り。
- 硝化度が大きいものほど爆発の危険性が大きくなるので、誤り
問題11
ニトロセルロースの性状等について、次のうち誤っているものはどれか。
- 水や有機溶剤によく溶ける。
- 窒素含有量が多いほど危険性が大きくなる。
- 加熱、衝撃および打撃などにより発火することがある。
- 燃焼速度がきわめて速い。
- 乾燥状態で貯蔵すると危険である。
解答:1
解説:
ニトロセルロースは有機溶剤には溶けるが、水には溶けない。
問題12
ニトロセルロースについて、次のうち正しいものはどれか。
- 強綿薬はエタノールに溶けやすい。
- 日光によって分解し、自然発火することがある。
- 火災に際しては、窒息消火が効果的である。
- 注水消火は厳禁である。
- 特有の臭気がある。
解答:2
解説:
- 強綿薬ではなく弱綿薬のほうなので、誤り。
- ニトロセルロースは、加熱、衝撃、摩擦等のほか、日光によっても分解し、自然発火する危険性があるので、正しい。
- (4) ニトロセルロースの火災には窒息消火は効果が無く、注水消火が効果的なので、両者とも誤り。
- ニトロセルロースは無臭なので、誤り。
問題13
ニトロセルロースに関する、次の文中の()内に当てはまる語句として、正しいものはどれか。
「ニトロセルロースを乾燥状態で保存すると、加熱や衝撃、あるいは日光の直射によって自然発火を起こす恐れがある。このため、貯蔵に際しては、湿潤剤として、アルコールや( )などで浸して冷所に貯蔵する必要がある。」
(1) 水 (2) 灯油 (3) トルエン (4) メチルエチルケトン (5) ベンゼン
解答:1
解説:
ニトロセルロースは、アルコールや水などに浸して、湿潤な状態にして貯蔵する。
問題14
ピクリン酸の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 無臭である。
- 熱水に溶ける。
- 急熱すると爆発する。
- 乾燥状態では、安定である。
- 酸性であって、金属や塩基と塩を作る。
解答:4
解説:
ピクリン酸と過酸化ベンゾイルは、乾燥状態では不安定で危険性が増加する。
問題15
ピクリン酸について、次のうち誤っているものはどれか。
- 苦味があり、有毒である。
- 水より重い透明の液体である。
- トリニトロフェノールとも呼ばれる。
- 消火の際は、大量注水により消火する。
- ガソリンやアルコールなどと混ざると、爆発の危険性が大きくなる。
解答:2
解説:
ピクリン酸は液体ではなく黄色の結晶(固体)である。
問題16
トリニトロトルエンの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 淡黄色の結晶である。
- 日光に当たると茶褐色に変色する。
- TNTとも呼ばれる。
- 金属と作用して金属塩を生じる。
- 水には溶けない。
解答:4
解説:
トリニトロトルエンの性状はピクリン酸と似ているが、ピクリン酸が金属と反応するのに対し、トリニトロトルエンは反応しない。
問題17
トリニトロトルエンの性状等について、次のうち誤っているものはどれか。
- 酸化されやすいものと混在すると、打撃等により爆発することがある。
- 爆発した際の燃焼速度は、きわめて速い。
- ピクリン酸よりも不安定である。
- 急熱すると、発火または爆発することがある。
- 熱したものは、アルコールに溶ける。
解答:3
解説:
トリニトロトルエンは、非常に爆発の危険性のある危険物だが、ピクリン酸よりはやや安定している。
問題18
天然ゴムや合成ゴムなどの起泡剤として用いられるジニトロソペンタメチレンテトラミンの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 淡黄色の粉末である。
- 急激に加熱すると分解し、窒素を発生する。
- 水、アセトン、ベンゼンなどにわずかに溶ける。
- 酸性溶液中では安定している。
- 衝撃または摩擦によっても、爆発することがある。
解答:4
解説:
ジニトロソペンタメチレンテトラミンは、酸に接触すると爆発的に分解するので、酸性溶液中では不安定。
問題19
ジアゾニジトロフェノールの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 黄色の粉末である。
- 光により変色する。
- 水に容易に溶ける。
- 加熱すると、爆発的に分解する。
- 摩擦や衝撃により、容易に爆発する。
解答:3
解説:
この物質についてもあまり出題はされていないが、出題例があるので把握しておいた方がよい。
問題20
ヒドラジンの誘導体である硫酸ヒドラジンの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 皮膚や粘膜を刺激する。
- 還元性が強い。
- 水溶性はアルカリ性を示す。
- 酸化剤とは激しく反応する。
- アルカリと接触するとヒドラジンを遊離する。
解答:3
解説:
硫酸ヒドラジンの水溶液はアルカリ性ではなく、酸性を示す。
問題21
硫酸ヒドラジンについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色透明の液体である。
- 融点以上で分解して、アンモニア、二酸化硫黄、硫化水素および硫黄を生成する。
- 冷水には溶けないが、温水には溶ける。
- 日光を避けて貯蔵する。
- 消火の際は、大量注水が適している。
解答:1
解説:
硫酸ヒドラジンは、液体ではなく白色の結晶である。
問題22
硫酸ヒドロキシルアミンの貯蔵、取扱いについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 粉塵の吸入を避ける。
- アルカリ性物質が存在すると、爆発的な分解が起こる場合がある。
- クラフト紙袋に入った状態で流通することがある。
- 取扱いは、換気のよい場所で行い、保護具を使用する。
- 水溶液は、ガラス製容器に貯蔵してはならない。
解答:5
解説:
硫酸ヒドロキシルアミンの水溶液は強酸性で金属を腐食させるので、金属製容器以外に貯蔵する。従って、ガラス製容器に貯蔵することもできるので、(5)が誤り。
問題23
硫酸ヒドロキシルアミンの貯蔵、取扱いの注意事項として、次のうち正しいものはいくつあるか。
- 潮解性があるため、容器は密封して貯蔵する。
- 乾燥した場所に貯蔵する。
- 安定剤には、酸化剤が使用される。
- 高温体と接触しないようにする。
- 消火作業の際には必ず空気呼吸器その他の保護具を着用し、風下で作業をしない。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:4
解説:
- 正しい
- 正しい
- 硫酸ヒドロキシルアミンは強い還元剤であり、酸化剤と接触すると激しく反応して爆発する危険性があるので、安定剤としては使用することはできず、誤り。
- 正しい。
- 硫酸ヒドロキシルアミンの蒸気は、目や気道を強く刺激し、体内に入ると死に至る場合がある。従って、消火作業の際には、必ず空気呼吸器その他の保護具を着用する必要があるので、正しい。
問題24
アジ化ナトリウムについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 水に溶けにくい無色の板状結晶である。
- 加熱すると、分解して窒素と金属ナトリウムを生じる。
- 酸により、有毒で爆発性のアジ化水素酸を発生する。
- 水より重い。
- 火災時には、注水による消火は厳禁である。
解答:1
解説:
アジ化ナトリウムは、水に溶けやすい無色の板状結晶である。
問題25
アジ化ナトリウムを貯蔵し、取り扱う施設を造る場合、次のA〜Eの構造および設備のうち、アジ化ナトリウムの性状に照らして適切なもののみを組み合わせたものはどれか
- 換気設備を設置する。
- 強化液消火剤を放射する大型の消火器を設置する。
- 酸等の薬品と共用する鋼鉄製大型保管庫を設置する。
- 屋根に日の差し込む大きな天窓を造る。
- 鉄筋コンクリートの床を地盤面より高く造る。
- AとC
- AとE
- BとC
- BとD
- CとE
解答:2
解説:
- 正しい。
- アジ化ナトリウムに水系の消火剤は不適当なので、誤り。
- 酸と接触すると、有毒で爆発性のアジ化水素酸を発生するので、酸等の薬品と共用する施設を設置するのは、不適当。
- アジ化ナトリウムは、直射日光を避けて貯蔵する必要があるので、不適当。
- アジ化ナトリウムに限らず、危険物施設の床は雨水の浸水を防いだり、あるいは空気より重い可燃性蒸気の滞留を防ぐため、地盤面より高く造るように定められており、正しい。
したがって、適切なものはAとEとなり、(2)が正解となる。
第6類の危険物に共通する特性の問題と解説
問題1
第6類危険物の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- それ自体は不燃性である。
- いずれも無機化合物である。
- 腐食性が強いものが多い。
- 強酸化剤であるが、高温になると還元剤として作用する。
- 水と激しく反応し、発熱するものがある。
解答:4
解説:
第6類危険物は、強酸化剤であるが、高温になっても還元剤としては作用しない。
問題2
第6類危険物に共通する性状として、次のうち正しいものはいくつあるか。
- 加熱すると分解して塩素を発生するものがある。
- 発煙性を有する。
- 液体の比重は1よりは小さい。
- いずれも無色無臭である。
- 有機物などに接触すると発火させる危険性がある。
(1) 1つ (2) 2つ (3) 3つ (4) 4つ (5) 5つ
解答:1
解説:
- たとえば、硝酸のように加熱により分解して酸素を発生するものはあるが、塩素を発生するものはないので、誤り。
- 過塩素酸のように発煙性を有するものもあるが、すべてではないので、誤り。
- 第6類危険物の比重は1より大きいので、誤り。
- ほとんど無色だが、発煙硝酸のようにそうでないものもあり(赤系の色)、また、無臭ではなく、ほとんどのものは刺激臭があるので、誤り。
- 第6類危険物は、有機物または可燃物などに接触すると発煙させる危険性があるので、正しい。
したがって、正しいのはEのみとなる。
問題3
第6類危険物の火災予防、消火の方法として、次のうち誤っているものはどれか。
- 酸化力が強く、可燃物との接触を避ける。
- 火気や日光の直射を避けて貯蔵する。
- 自己燃焼性があり、不安定で衝撃、摩擦等により爆発するので、取扱いには十分注意する。
- 貯蔵する容器は、耐酸性のものを使用する。
- 一般に水系の消火剤を使用するが、水と反応するものは避ける。
解答:3
解説:
- この問題文は第5類危険物に関する説明である。
問題4
第6類危険物の火災予防、消火の方法として次のうち誤っているものはどれか。
- 可燃物、有機物との接触を避ける。
- 還元剤の混入を避ける。
- 容器には通気口を設けること。
- 消火の際は、衣服に付着しないように保護具を使用する。
- 水系消火剤の使用は、適応しないものがある。
解答:3
解説:
- 第6類危険物は酸化剤であるので、可燃物や有機物、あるいは還元剤とも接触を避ける必要があるので、正しい。
(3)第6類危険物の容器で通気口を設けるのは過酸化水素のみであり、その他のものは密封する必要があるので、誤り。
問題5
第6類危険物の火災に不適応な消火方法の組み合わせとして、次のうち正しいものはどれか。
- ハロゲン化物消火剤を放射する。
- 乾燥砂で覆う。
- 霧状の強化液消火剤を放射する。
- 膨張真珠岩(パーライト)で覆う。
- 二酸化炭素消火剤を放射する。
- AとE
- AとC
- CとD
- CとE
- DとE
解答:1
解説:
第6類危険物の火災には、一般に水系の消火剤を用いるが、ハロゲン化物消火剤、二酸化炭素消火剤、粉末消火剤(炭酸水素塩類を含むもの)は適応しないので、(1)のAとEが正解。
第6類に属する危険物の問題と解説
問題1
過塩素酸の性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- 褐色の流動しやすい液体である。
- 加熱すると爆発の危険性がある。
- 蒸気は眼や気管を刺激する。
- 水と激しく作用して発熱する。
- 強い酸化性を有する。
解答:1
解説:
過塩素酸は褐色ではなく、無色で油状(=流動しにくい)液体である。
第6類危険物は発煙硝酸以外は無色。
問題2
過塩素酸の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- それ自体は不燃性があるが、加熱すると爆発する。
- 常温(20℃)では強酸化剤であるが、加熱すると還元性を示す。
- 有機物などと混合すると火災や爆発の危険性がある。
- 空気中で激しく発煙する。
- 無水物は銅、亜鉛等と激しく反応して酸化物を生じる。
解答:2
解説:
過塩素酸は強酸化剤であり、加熱したからといって還元剤にはならない。
問題3
過塩素酸の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色の発煙性液体である。
- おがくずなどと接触すると、自然発火することがある。
- 水中に滴下すれば音を発し、発熱する。
- 可燃性で、腐食性がある。
- アルコール、エーテルなどの可燃性有機物と発火、爆発することがある。
解答:4
解説:
過塩素酸は第6類危険物であり、第6類危険物は可燃性ではなく不燃性である。
問題4
過塩素酸の性状について、次のうち正しいものはどれか。
- 比重は1より小さい
- 黄褐色で粘性のある液体である。
- 鉄や銅とは反応するが、イオン化傾向の小さな銀や銅などとは反応しない。
- 水にはほとんど溶けない。
- 加熱すると分解して有毒ガスを発生する。
解答:5
解説:
- 第6類危険物の比重は1より大きいので、誤り。
- 過塩素酸は無色の液体なので、誤り。
- 過塩素酸はイオン化傾向の小さな銀や銅などとも激しく反応するので、誤り。
- 過塩素酸をはじめ、第6類危険物は水に溶けやすいので、誤り。
- 加熱すると分解して有毒ガス(塩化水素)を発生するので、正しい。
問題5
過塩素酸の貯蔵、取扱いについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 通風のよい乾燥した冷暗所に貯蔵する。
- 火気との接触を避ける。
- 可燃物と離して貯蔵する。
- 漏出時は、アルカリ液で中和する。
- 通気口を設けた金属製容器に貯蔵する。
解答:5
解説:
過塩素酸は有機物、可燃物、金属と反応するので、金属製容器ではなく、ポリエチレンやガラス容器などに貯蔵する必要がある。
また、通気口は設けず、容器は密封する必要がある。
問題6
過酸化水素の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 熱や日光により分解する。
- 無色で、水より重い液体である。
- 金属粉と反応して分解する。
- 濃度の高いものは、引火性がある。
- 水と任意の割合で混合する。
解答:4
解説:
第6類危険物は、引火性液体ではなく不燃性の液体である。
問題7
過酸化水素の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 高濃度のものは油状の液体である。
- 強力な酸化剤であるが、還元剤として作用するものもある。
- リン酸や尿酸などの添加により、分解が促進される。
- きわめて不安定な物質であり、常温(20℃)でも酸素と水に分解する。
- 濃度の高いものは、皮膚、粘膜をおかす。
解答:3
解説:
過酸化水素は、きわめて不安定な物質であり、常温でも徐々に酸素と水に分解するので、市販品には、リン酸や尿酸などの安定剤を添加してある。
なお(2)は、他の物質に水素を与える反応の時に還元剤となる。
問題8
過酸化水素の性状について、次のうち正しいものはどれか。
- 熱や光により、容易に水素と酸素に分解する。
- 水に溶けやすく、水より軽い。
- 分解を防止するために、オキシフルなどの安定剤を加える。
- きわめて分解しやすい物質であるが、常温(20℃)ではその危険性はない。
- 鉄や銅と接触すると、激しく反応して分解する。
解答:5
解説:
- 過酸化水素は熱や光により分解するが、水素ではなく水と酸素に分解する。
- 第6類危険物は水より重いので、誤り。
- 市販品には、尿酸やリン酸などの安定剤が加えられているが、オキシフルは過酸化水素の3%水溶液であり、安定剤ではないので誤り。
- 常温(20℃)でも、徐々に分解されて酸素を発生するので、誤り。
- 正しい。
問題9
過酸化水素の貯蔵、取扱いについて、次のうち不適当なものはどれか。
- 貯蔵するときは弱アルカリ性にして分解を防ぐようにする。
- 分解が促進する金属粉末や金属酸化物等の混入を防ぐ。
- 漏洩したときは、多量の水で洗い流す。
- 貯蔵容器はガス抜き口栓付きのものを使用する。
- 鉄粉や銅粉と接触しないようにする。
解答:1
解説:
- 過酸化水素をアルカリ性にすると、分解しやすくなるので、誤り。
問題10
過酸化水素の貯蔵、取扱いについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 日当たりのよい場所を避け、冷暗所に貯蔵する。
- 濃度の高いものは、皮膚や粘膜を腐食するので注意する。
- 光や温度の上昇を避け、分解を防ぐ。
- 可燃物から離して貯蔵する。
- 高濃度のものは、空気と反応しやすいので、貯蔵する際は容器を密栓する。
解答:5
解説:
第6類危険物を貯蔵する際は、一般的には容器を密封(密栓)するが、過酸化水素の場合は分解ガスが発生するので、容器を密封せず通気口を設ける。
問題11
硝酸の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色透明の液体である。
- 熱や光により分解し変色する。
- 二硫化炭素、アミン類、ヒドラジンなどと混合すると、発火または爆発する。
- 銅や銀を溶かす。
- 濃硝酸は鉄やアルミニウムの表面に不動態被膜を作りにくい。
解答:5
解説:
この問題は、一般的な常識で考えると、希硝酸では溶かされないが濃硝酸では溶かされると考えてしまうが、鉄やアルミニウムなどの場合はその逆になる。
すなわち、「鉄やアルミニウムなどは、希硝酸には溶かされ腐食するが、濃硝酸には不動態被膜を作り溶かされない」となるので、(5)が誤り。
問題12
硝酸の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- アセトンやアルコールなどと混合すると、発火または爆発することがある。
- 酸化力が強く、銅、銀などのイオン化傾向の小さな金属とも反応して水素を発生する。
- 水と任意の割合で混合する。
- 木材等の可燃物に接すると発火する。
- 濃硝酸をタンパク質溶液に加えて加熱すると黄色になる。
解答:2
解説:
- 「酸化力が強く、銅、銀などのイオン化傾向の小さな金属とも反応して」までは正しいが、水素ではなく窒素酸化物(二酸化窒素)を発生するので、誤り。
問題13
硝酸の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 濃硝酸は、金、白金を腐食させる。
- 加熱または日光によって分解し、その際に生じる二酸化窒素によって黄色または褐色を呈する。
- 加熱すると、分解して二酸化窒素と酸素を発生する。
- 硫化水素、アニリン等に触れると発火させる。
- 人体に触れると薬傷を生じる。
解答:1
解説:
硝酸は金属を腐食させ、特に濃硝酸は、水素よりイオン化傾向の小さな金属とも反応して腐食させるが、金や白金は例外。
問題14
硝酸と接触すると発火または爆発の危険性があるもとして、次のうち誤っているものはどれか。
- アミン類
- 二酸化炭素
- 紙
- アルコール
- 木綿布
解答:2
解説:
硝酸と接触すると発火または爆発の危険性があるものとして、「アルコール、アミン類、アセチレン、二硫化炭素、ヒドラジン類、リン化水素、有機物(木くず、紙など)」が挙げられる。
従って、(2)の二酸化炭素は塩酸などとともに不燃物なので発火、爆発はしない。
なお、同じ不燃物である「硫酸」も、「硝酸と接触すると発火または爆発の危険性があるもの」に含まれていないので、要注意である。
(この種の問題はよく出題されている)
問題15
硝酸の貯蔵および取扱いについて、次のうち適切でないものはどれか。
- 分解して発生する二酸化窒素を吸い込まないようにする。
- 腐食性があるので、ステンレス鋼製の容器による貯蔵は避ける。
- 還元性物質との接触を避ける。
- 直射日光を避け、冷暗所に保存する。
- 硝酸自体は燃焼しないが、強い酸化性があるので、可燃物から離して貯蔵する。
解答:2
解説:
硝酸は金属を腐食させるので、ステンレスやアルミニウム製の容器を使用する必要がある。
問題16
硝酸の流出事故における処理において、次のうち適当でないものはどれか。
- ぼろ布にしみ込ませる。
- 大量の乾燥砂で流出を防ぐ。
- 強化液消火剤(主成分K2CO3水溶液)を放射して水で希釈する。
- 直接、大量の水で希釈する。
- ソーダ灰(無水炭酸ナトリウム)で中和する。
解答:1
解説:
硝酸が流出した場合は、(2)〜(5)のような処理が必要になる。
有機物、可燃物と接触すると発火する危険性がある。
問題17
ハロゲン間化合物の一般的性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 2種のハロゲンからなる化合物の総称である。
- 多数のフッ素原子を含むものは特に反応性に富む。
- フッ化物の多くは無色の揮発性の液体である。
- 多くの金属や非金属を酸化してハロゲン化物を生じる。
- 水に溶けやすいことから、火災時には水系の消火剤が有効である。
解答:5
解説:
ハロゲン間化合物は、水に溶けず、また水とは激しく反応するので、火災時に水系の消火剤は不適当である。
問題18
ハロゲン間化合物の性状等について、次のうち誤っているものはどれか。
- 強力な酸化剤である。
- 2種のハロゲンが電気陰性度の差によって互いに結合している。
- 水と反応しやすい。
- 金属とは反応しない。
- 単独では反応しない。
解答:4
解説:
ハロゲン間化合物はほとんどの金属、非金属と反応してフッ化物を作るので、(4)が誤り。
問題19
ハロゲン間化合物にかかわる火災の消火方法として、次のうち最も適切なものはどれか。
- 膨張ひる石(バーミキュライト)で覆う。
- 水溶性液体用泡消火剤を放射する。
- ハロゲン化物消火剤を放射する。
- 霧状の水を放射する。
- 強化液消火剤を放射する。
解答:1
解説:
ハロゲン間化合物は水と激しく反応するので、火災時には水系の消火剤は不適当であり、粉末消火剤または乾燥砂等(膨張真珠岩、膨張ひる石などを含む)を用いる。
問題20
三フッ化臭素の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 水より沸点が低いので、揮発しやすい。
- 空気中では発煙する。
- 水とは激しく反応する。
- ほとんどの金属、非金属と反応してフッ化物を作る。
- 0℃では固体である。
解答:1
解説:
(1)三フッ化臭素の沸点は126℃であり、水より沸点が高いので、誤り。
(5)三フッ化臭素の融点は8.8℃なので、それより低い0℃は固体となる。
問題21
五フッ化臭素の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- ほとんどすべての元素、化合物と反応する。
- 沸点が低く、揮発性のある液体である。
- 反王制は、三フッ化臭素より低い。
- ほとんどの金属、非金属と反応してフッ化物をつくる。
- 水と激しく反応してフッ化水素を発生する。
解答:3
解説:
ハロゲン間化合物は、(4)にある通り、ほとんどの金属、非金属と反応してフッ化物を作るが、その反応性は、フッ素原子が多いほど激しくなる。従って、反応性は五フッ化臭素の方が三フッ化臭素より高く、(3)が誤り。
問題22
危険物の性状に照らして、第6類のすべての危険物の火災に対し有効な消火方法は、次のうちどれか。
- 噴霧注水する。
- 棒状の水を放射する。
- 泡消火剤を放射する。
- 乾燥砂で覆う。
- 二酸化炭素消火剤を放射する。
解答:4
解説:
第6類危険物の火災に有効な消火方法は、一般的には水系消火剤ということになるが、ハロゲン間化合物のように不適当なものもあるので、(1),(2),(3)は誤り。
また、二酸化炭素消火剤、ハロゲン化物消火剤、粉末消火剤(炭酸塩類が含まれているもの)は第6類危険物には不適当なので(5)も誤り。
従って、(4)の乾燥砂が正解となる。