危険物データリスト(第六類)

過塩素酸(HClO4

形状 液体(無色) 指定数量 300kg
物性 引火点 発火点 融点 沸点 比重 爆発限界
 – -112 39 1.8
用途 有機合成用触媒,過塩素酸塩の製造原料,金属・鉱石等の溶解剤
性状
  • 水と混合する
  • 一般的に60~70%の水溶液であり、極めて不安定で、強酸化力をもつ
  • 水との接触で発熱し、空気に触れると白煙を生じる
  • 鉄,銅等の金属と激しく反応し、酸化物を生成
危険性
  • 燃焼により有毒ガス(HCl)を発生
  • 有機物との混触で発熱,発火,爆発の危険
  • 過塩素酸自体は不燃物であるが、加熱により容易に爆発
貯蔵・取扱
注意
  • ポリエチレンやガラスなどの耐酸瓶に密栓し、換気の良い冷暗所に貯蔵。金属容器は不可。
  • 金属類,有機物,可燃物との混載を避ける
  • 火気厳禁
火災時の
対応
  • 大量の噴霧注水での消火が有効
  • 消火時に発生するHClを吸入しないよう空気呼吸器等を使用。保護具着用。

過酸化水素(H2O2

形状  液体(無色) 指定数量 300kg
物性 引火点 発火点 融点 沸点 比重 爆発限界
 – -0.4 152 1.5
用途 漂白剤,殺菌剤,ロケット燃料,医薬品原料
性状
  •  有毒で水によく溶ける弱酸性の物質で、通常は30~50%の水溶液
  • 不安定で酸化力が強く、濃度50%以上では常温でも水と酸素に分解
危険性
  • 加熱,摩擦,衝撃で発火,爆発の危険
  • 特に加熱時には、酸素を発生し、容易に爆発の危険
  • アンモニアとの混触で発熱,発火,爆発の危険
貯蔵・取扱
注意
  •  アルミ製ドラム缶,ポリエチレンやガラス瓶,各種タンクに収納し、換気の良い冷暗所に貯蔵
  • 容器は密栓せず通気孔を開け、直射日光を避ける
  • 金属類,有機物,炭素等との混触を避ける
  • 火気厳禁
火災時の
対応
  • 大量の噴霧注水での消火が有効で、水以外の消火剤は不可
  • 消火時に過酸化水素水に触れないよう、保護具を着用。

硝酸(HNO3

形状  液体(無色) 指定数量 300kg
物性 引火点 発火点 融点 沸点 比重 爆発限界
 – -42 122 1.5
用途 爆薬原料,ニトロ化剤,医薬品原料
性状
  • 水に溶ける
  • 極めて有毒な強酸化性物質で、腐食性が強く、独特の臭気がある
  • 空気に接触すると刺激性のある褐色の煙を生じる
  • 98%以上のものを発煙硝酸といい、さらに酸化力が強い
危険性
  • 二硫化炭素,アミン類,ヒドラジン類等との混触で発熱,発火,爆発の危険
  • 布,紙などの有機物との混触で発熱,発火の危険
  • 加熱,日光により有毒ガス(窒素酸化物)と支燃性ガス(酸素)を生じる
貯蔵・取扱
注意
  • アルミ製ドラム缶,耐酸ガラス瓶に収納し、換気のよい冷暗所に貯蔵
  • 容器は密栓し吸湿を防止し、直射日光を避ける
  • 金属類,有機物,炭素等との混触を避け、室内は整理整頓する
  • 火気厳禁,禁水
火災時の
対応
  • 燃焼物に対応した消火剤を用いる
  • 消火時に発生する窒素酸化物を吸入しないように留意
  • 消火時に硝酸の液に触れないよう保護具を着用

五フッ化ヨウ素(IF5

分類  ハロゲン間化合物
形状 液体(無色) 指定数量 300kg
物性 引火点 発火点 融点 沸点 比重 爆発限界
 – 9.4 100.5 3.19
用途 フッ化剤
性状
  • 有毒な強酸化性物質で、腐食性が強い
  • 金属,非金属と反応しフッ化物を生成
危険性
  • 水と激しく反応しフッ化水素,ヨウ素酸を発生
貯蔵・取扱
注意
  • 耐酸ガラス瓶に密栓し、換気の良い冷暗所に貯蔵
  • 火気厳禁,禁水
  • 強酸化剤で、有機物,金属との混触禁止
  • 摩擦,衝撃を避ける
火災時の
対応
  • 消火剤としては乾燥砂,粉末を使用
  • 水,ハロゲン化物は不適
  • 保護具を着用

三フッ化臭素(BrF3

分類 ハロゲン間化合物
形状 液体(無色) 指定数量 300kg
物性 引火点 発火点 融点 沸点 比重 爆発限界
 – 9 126 2.84
用途 酸化剤
性状
  •  有毒な強酸化性物質で、腐食性が強い
  • 金属,非金属と反応しフッ化物を生成
危険性
  • 水と激しく反応しフッ化水素,酸素を発生
貯蔵・取扱
注意
  • 耐酸ガラス瓶に密栓し、換気の良い冷暗所に貯蔵
  • 火気厳禁,禁水
  • 強酸化剤で、有機物,金属との混触禁止
  • 摩擦,衝撃を避ける
火災時の
対応
  • 消火剤としては乾燥砂,粉末を使用
  • 水,ハロゲン化物は不可
  • 保護具を着用